『ひとりで頑張らない地域』について①

ブログへの訪問をありがとうございます!

昨日、9月から行われていた最後の委員会が終了しました。

後は、25日の議会最終日を残すのみです。

そのため、一度はきちんと書きたかった『ひとりで頑張らない地域づくり』について、これから数回に分けて書きたいと思います。

初回は、“孤独・孤立対策推進法”について書きます(長くなるので、法律関係はニガテ…という方は読み飛ばしてくださいませ)。

 

『孤独・孤立対策推進法』が制定されました

2023年5月31日、第211回通常国会において「孤独・孤立対策推進法」が成立しました。

この法律は、国及び地方において総合的な孤独・孤立対策に関する施策を推進するため、その基本理念や国等の責務、施策の基本となる事項、国及び地方の推進体制等について定めるもので、来春からの施行となります。

管轄している内閣官房では、概要の中で趣旨をこのように書いています。

【趣旨】

近時における社会の変化を踏まえ、日常生活若しくは社会生活において孤独を覚えることにより、又は社会から孤立していることにより心身に有害な影響を受けている状態にある者への支援等に関する取組について、その基本理念、国等の責務、施策の基本となる事項及び孤独・孤立対策推進本部の設置等について定める。
→「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会」、「相互に支え合い、人と人との「つながり」が生まれる社会」を目指す。

【基本理念】

孤独・孤立対策(孤独・孤立の状態となることの予防、孤独・孤立の状態にある者への迅速かつ適切な支援その他孤独・孤立の状態から脱却することに資する取組)について、次の事項を基本理念として定める。
① 孤独・孤立の状態は人生のあらゆる段階において何人にも生じ得るものであり、社会のあらゆる分野において孤独・孤立対策の推進を図ることが重要であること。
孤独・孤立の状態にある者及びその家族等(当事者等)の立場に立って、当事者等の状況に応じた支援が継続的に行われること。
③ 当事者等に対しては、その意向に沿って当事者等が社会及び他者との関わりを持つことにより孤独・孤立の状態から脱却して日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようになることを目標として、必要な支援が行われること。

内閣官房HPより

孤独に関しては2000年過ぎから世界中で問題視されており、2010年前後からは活発に研究がなされています。

日本においても、2021年2月19日に“孤独・孤立対策室”が内閣官房に設置され、それを受けての今回の方設立となるわけです。

個人的には、基本理念に“孤独予防”の視点を入れていただきたいと思いましたが、まぁ、何にせよ、やっと日本も孤独対策に着手したわけで、その部分は高く評価しています。

 

ちなみに、国等の責務というのは、このような形になっています。

【国等の責務等】

孤独・孤立対策に関し、国・地方公共団体の責務、国民の理解・協力、関係者の連携・協力等を規定する。

【基本的施策】

・ 孤独・孤立対策の重点計画の作成
・ 孤独・孤立対策に関する国民の理解の増進、多様な主体の自主的活動に資する啓発
相談支援(当事者等からの相談に応じ、必要な助言等の支援)の推進
・ 関係者(国、地方公共団体、当事者等への支援を行う者等)の連携・協働の促進
・ 当事者等への支援を行う人材の確保・養成・資質向上
・ 地方公共団体及び当事者等への支援を行う者に対する支援
・ 孤独・孤立の状態にある者の実態等に関する調査研究の推進

内閣官房HPより

 

自治体が担う責務については、孤独・孤立対策推進法第4条このように書いてあります。

(地方公共団体の責務)
第四条地方公共団体は、基本理念にのっとり、孤独・孤立対策に関し、国及び他の地方公共団体との連携
を図りつつ、その区域内における当事者等の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務有する

つまり、“地域の実情に合わせて施策を立て実行してね”ということです。

法律関係は語尾が重要なのですが、ここで書かれている『有する』とは、『やれよ』という義務になります。

 

ちなみに、国民の責務についても、第5条で触れています。

(国民の努力)
第五条国民は、孤独・孤立の状態にある者に対する関心と理解を深めるとともに、国及び地方公共団体が
実施する孤独・孤立対策に関する施策に協力するよう努めるものとする。

国民に対しては“孤独・孤立に対する理解を深め協力してね”ということです。

これまた語尾に注目すると『努める』とあるので、こちらは『(できれば)やってね』という語力義務になります。

 

『孤独・孤立対策モデル事業』に採択!

簡単に孤独・孤立対策推進法について書きましたが、実は、今年8月に江東区は国の募集する『孤独・孤立対策モデル事業』に応募しており、先月、モデル事業として採択されています。

これは、木村区長が『いいね!ぜひやろう!!!』と話しており、彼女の『ぬくもりのあるまちづくり』を具現化するための意欲がうかがえます。

担当所管は『福祉部長寿応援課』ですが、法律にもあったように、この事業は単に孤独孤立対策だけでなく、取組を通じて、各所管が縦割り体制から横断的な連携が図ることができるのではないかと期待しています。

実際の稼働は11月からとなり実施期間としては短いですが、これをシャンシャンで終わらせるのではなく、住民と活動団体や企業、活動団体や企業と行政がつながり、『オール江東』を実現できるよう、私は完全裏方で尽力したいと考えています。

 

今回は長文になってしまい申し訳ありません。

次回は、孤独に関連した江東区高齢者の現状について書きます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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