『ひとりで頑張らない地域』について④

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今回は、孤独に大きく関係する『セルフネグレクト』についての記事を見つけたので、リンクを貼ります。

「衣食住に関心ない。長生きしたくない」孤立死にも繋がる“セルフネグレクト”とは 猫170匹「多頭飼育崩壊」で自宅が糞尿まみれになる事例も

動画はこちらです。

 

このニュース、自分に関心が持てなくなる状態「セルフネグレクト(自己放任)」について書かれていますが、私が注目したのはコメント欄です。

匿名コメントなため信憑性は不明ですが、それでも40代、50代のリアルな声がたくさん書かれています。

その大半が『生きる意欲がなくなる時がある』『長生きしたくない』というような内容です。

同じ就職氷河期世代として、なんとも言えない気持ちになったのは、私だけでしょうか?

そして、改めて40歳以上65歳未満の所管窓口が必要だと感じたのは、私だけでしょうか?

 

孤独が与える影響について

2009年にシカゴ大学の心理学者ジョン・カシオッポ教授らが発表した研究(5000人以上への研究)で、孤独な友人を持つ人が孤立感を覚える確率は、孤独ではない友人を持つ場合より52%高く、友人のそのまた友人にまでそうした「伝染効果」は及ぶことを突き止めました。

孤独は周囲に伝播するのですね。

また、リガム・ヤング大学の心理学者ジュリアン・ホルトランスタッド教授は、2010年に30万人以上のデータを分析し、「社会的なつながりを持つ人は、持たない人に較べて早期死亡リスクが50%低下する」という結果を発表した。そして、孤独のリスクは①1日タバコ15本吸うことに匹敵②アルコール依存症であることに匹敵③運動をしていないことよりも高い④肥満の2倍高いと結論付けています。

2015年同教授の研究では、340万人のデータを基に、社会的孤立の場合は29%、孤独の場合は26%、一人暮らしの場合は32%も死ぬ確率が高まるとの結果を導き出しています。

他、孤独が健康に与える影響については、このような研究結果も出ています。

➤孤独は冠動脈性の心疾患リスクを29%上げ、心臓発作のリスクを32%上昇させる。
➤孤独な人はそうでない人より20%速いペースで認知機能が衰える。
➤孤独度が高い人がアルツハイマーになるリスクは、孤独度が低い人の2.1倍。
➤孤独は、体重減少や運動による血圧低下効果を相殺する負の効果を持つ。
➤孤独な人は、日常生活にも支障をきたしやすくなる。
◆いったん孤独になり、自己保身本能にギアが入ると、もう一度、人とつながることを極端に恐れるようになる。
➤慢性的な孤独化に於かれた人は、他の人のネガティブな言動に対して極度に過敏になったり、ストレスのある環境に対する耐性が低くなるという悪循環に陥ってしまう。   などなど。

これらのデータを見る限り、孤独の本質的な問題は『孤独による死』であることがわかります。

 

『孤独は不幸じゃない』は本当?

孤独の話をすると、けっこうな高確率で『でも、孤独って悪いものじゃないよ』という方がいます。

そういう時、私は『そうかなぁ~』と返答しつつ、何を根拠にそう思うのかと聞くと、大抵の方が著名人の書籍や話を挙げます。

各書籍を否定する気はありませんが、なんというか、恐らく著者の書いている孤独は『Solitude(1人で楽しむ孤独)』だと思うんです。

つまり、『人とつながろうと思えばつながれる環境が担保された上での孤独感を楽しんでいる』状況であり、いわゆる世界で社会課題となっている孤独『Loneliness(孤独だと主観的に感じること)』とは違うんじゃないかなぁと思うんです。

また、Yahoo!ニュースのコメントを読んでいて気づいたこととして、女性は自分が『孤独だ』と感じていても周囲の期待に沿おうと人前では頑張ってしまう傾向が強いように感じました。

他、中高年の男性の孤独を扱った書籍によると、中高年の男性は「孤独が好きだ」「孤独を楽しむのだ」とひきこもることが多いが、それはある種の自己防衛メカニズムが働くからだろうと書かれています。

つまり、孤独は見た目ではわかりにくいのです。

 

SNSは日本人と相性が悪い!?

一方で、SNSの登場により、他人様の日々のでき事を知る機会は増えました。

キラキラしている方が多く、中年女性の私は『頑張ってんなー』という感想しか抱きませんが、これを自分と照らし合わせてしまう人にとっては、プレッシャーになると危惧しています。

そんなことを考えている時、日本人とSNSは”最悪な組み合わせ”…この国から「不幸な孤独」がなくならないワケ(前野隆司教授)という記事を見つけました。

そこには、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の影響で日本人は、SNSの影響をネガティブに受け止めやすいということが書かれていました。

遺伝子の話となると『…そうですか』となりますが、ここで重要なことは『孤独を感じやすいか否かは個人の責任ではない』ということと、『だからこそ、孤独を脱したいと希望する人には手を差し伸べる環境をつくるのが行政の役割』だと私は考えています。

 

行政にできること

今回は、中年層に焦点を充てながら『孤独』というものが与える影響について書きました。

最後になりますが、様々な研究論文や記事を読む中で共通している脱孤独のために重要なこととしては、『心から信頼でき、頼ることのできる人達と、深く、意味のあるつながりや関係性を築いていけるかどうか』だということです。

ここにヒントを得て、改めて江東区の全事業を見直しながら、横展開できそうな事業、統合できそうな事業などを仕分けしています。

そして、これをまとめたら、各所管の課長に『相談』という形で来年度以降の予算に反映してもらえるよう、アプローチをしていく予定です。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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