防災について④~提案編~

ブログへの訪問をありがとうございます!

土曜日は朝から子育て支援の活動をお手伝いしていたワタクシ。

昨日今日と筋肉痛になるかと戦々恐々としていましたが、おかげさまで筋肉痛になることもなく過ごせており『まだまだ私の身体機能は衰えていないじゃない』と有頂天になっています(え?)。

 

さて、今日は防災に関するブログも4回目になりました。

改めて、過去3回の内容を簡単に一言でまとめますね(リンク添付)。

1回目:災害をリアルに実感してもらう回(首都直下型シミュレーション)

2回目:最悪想定を置く理由を示す回(南海トラフ+富士山噴火シミュレーション)

3回目:江東区の地域防災計画の分析の回

1回目では、首都直下地震が起きた際に江東区でどのような被害が想定されるのか、できるだけリアルにイメージできるように書きました。

2回目では、南海トラフ巨大地震に富士山噴火による広域降灰が重なった場合、江東区では『建物が壊れる』だけではなく、『都市機能が止まり生活そのものが継続困難になる』ことが大きな問題になるのではないか、という視点で書きました。

3回目では、江東区地域防災計画や防災対策の現況資料を読みながら、論点は幅広く整理されている一方で、発災時の運用レベルではさらに具体化できる余地があるのではないか、ということを書きました。

そして今回は、その続きとして、江東区地域防災計画の実効性をさらに高めるための提案を書きたいと思います。

一言でまとめるなら、「理念型計画」を「運用型計画」に近づけていくための提案です。

・・・という前置きの上で先に申し上げたいのですが、これは行政批判のために書くものではありません。

むしろ逆です。

危機管理室をはじめ、区の職員の皆さんが、限られた人員の中で、本当に多くの課題に向き合いながら防災行政に取り組んでおられることは、資料を読めば読むほど伝わってきますし、私はそのことに強い敬意を持っています。

だからこそ、今回書きたいのは、いざという時に現場の行政職員が混乱せず、過度に疲弊せず、区民対応に集中できるためには、平時に何を整えておくとよいのかという視点です。

ここで私が言いたいのは、現場の裁量を奪うことではありません。

層ではなく、判断の土台を平時に共有しておくことで、発災時に必要な裁量をより活かしやすくすることです。

災害時、行政職員が疲弊し、判断が一点に集中し、現場が混乱してしまえば、その影響はそのまま区民生活に返ってきます。

逆に言えば、職員が迷わず動ける仕組み、負担が過度に集中しない仕組みを平時から整えておくことは、結果として区民の命と生活を守ることにつながるのではないか。

今回は、そんな問題意識から、いくつか具体的に書いてみたいと思います。

では、行ってみよー☆

【江東区の地域防災計画が丁寧に整理されていることは間違いない】

先に、ここはしっかり書いておきたいです。

江東区の地域防災計画は、決して『何も考えられていない計画』ではありません。

むしろ、震災、水害、避難所運営、要配慮者支援、在宅避難、マンション防災、受援応援、複合災害への留意など、現代の都市型災害に必要な論点をかなり幅広く整理している計画だと感じています。

また、防災対策の現況資料を見ても、区として現状の課題を把握し、次年度以降に向けて整備を進めようとしていることは十分伝わってきます。

つまり、江東区は防災について『考えていない』のではなく、むしろかなり真剣に考えている自治体だと思います。

そのうえでなお、私が今回提案を書こうと思ったのは、論点整理はかなり進んでいるからこそ、次の段階として“運用の具体化”に進める余地があるのではないかと感じたからです。

防災計画は、理念や方向性が正しいだけでは、災害時にそのまま機能するとは限りません。

特に大規模災害の現場では、『誰が』『どのタイミングで』『どの手順で』『どの資源を使って』『どこまで判断するのか』があいまいだと、判断負担が現場に集中しやすくなります。

江東区は、人口が多く、集合住宅率も高く、高齢者や要介護者も多い都市です。

そのため、災害時に問題になるのは救助だけではありません。

生活機能をどう維持するか、在宅避難者をどう支えるか、要配慮者の支援をどう切らさないか、行政機能をどう保つかという、長期的で複雑な課題が一気に押し寄せます。

だからこそ、今後さらに必要になるのは、理念型の計画を、現場で本当に動ける運用型の計画へと一歩進めていくことではないかと思うのです。

【理念型計画から運用型計画へ】

ここで言う『運用型計画』というのは、現場を過度に縛る細かなルール集のことではありません。

むしろ逆です。

災害時は、情報が十分にそろわず、人員も限られ、区民対応も集中し、平時のような判断ができません。

その中で現場職員は、次々に優先順位を決め、関係機関と調整し、目の前の状況に対応しなければならないわけです。

そう考えると、現場に必要なのは『全部その場で考えて』という体制ではなく、平時のうちにある程度整理された判断の土台だと思います。

つまり、

・まず何を確認するのか

・どこまでを現場で判断するのか

・誰にエスカレーションするのか

・何を優先するのか

・どの支援をどの順で動かすのか

こうしたことがある程度見えていれば、発災時の判断負担はかなり違ってくるはずです。

私は、これがまさに「計画の実効性」を高めるということなのではないかと思っています。

そしてそれは、現場職員に新たな負担を上乗せすることではなく、むしろいざという時に混乱しないための準備だと考えています。

以下、特に重要だと思う点を4つに分けて書きますね。

【提案① 防災は計画書だけでは動かず、人材体制で決まる】

まず私が一番大事だと感じているのは、人材体制です。

防災は、制度や文書があるだけでは動きません。

最終的には、それを運用する人材の判断力、調整力、継続力によって成り立つ分野です。

平時には、関係機関との協議、協定の整備、訓練、マニュアル作成、地域への働きかけなど、多くの地道な作業が必要になります。

発災時には、限られた情報の中で優先順位を決め、区民対応と行政運営を同時に回していかなければなりません。

つまり防災は、非常に特殊で負荷の高い行政分野です。

そうである以上、人材体制を戦略的に整えることが、地域防災計画の実効性向上に直結すると私は感じています。

もちろん、これは『今いる職員が足りない』とか『能力がない』という意味ではまったくありません。

むしろ、ここまで多くの課題に対応しながら防災施策を進めていること自体、現場の職員の皆さんが相当な努力を重ねておられる証拠だと思っています。

そのうえで、今後さらに実効性を高めるためには、危機管理部門を支える人材体制をもう少し厚く、そして戦略的に整えていくことが必要だと思うんですよね。

たとえば、防災への関心や改善意欲が高い職員、調整力や実行力のある職員が危機管理分野で力を発揮しやすいよう、人事面でも何らかの工夫ができる余地はあるのではないでしょうか。

また、危機管理室の人員体制そのものを強化し、協定、訓練、関係機関調整、マニュアル整備など、平時の準備を継続的に進めやすくすることも重要だと思います。

具体的には、防災のように継続性が重要な分野では、担当者や管理職が変わっても進捗状況や調整の経過が共有され、次の担当者がすぐに引き継げる環境を整えておくことが大切ではないでしょうか。

防災は、一部の担当職員の努力だけに依存して支えるには、あまりにも重い仕事です。

だからこそ、個人の頑張りに依存しすぎない体制にしていくことが、結果として災害時の安定した行政対応につながるのではないかと思います。

【提案② 発災後72時間の行動計画を具体化すると、現場はもっと動きやすくなる】

次に重要だと思うのは、発災後72時間の行動計画の具体化です。

災害時、特に最初の72時間は、最も混乱しやすい時間帯です。

情報は断片的で、人手も足りず、区民からの相談や要望も集中し、さまざまな判断を同時並行で求められます。

このときに、現場職員が一つひとつゼロから判断しなければならない状態だと、どうしても負担が大きくなります。

しかも、判断が属人的になればなるほど、職員によって対応の差も生まれやすくなります。

だからこそ、避難所や関係部署ごとに、時間軸に沿って、

・発災直後に何を最優先で確認するのか

・初動対応の責任者は誰か

・要配慮者対応をどの段階で入れるのか

・情報収集、物資対応、受援調整をどう進めるのか

・どの段階で上位判断に切り替えるのか

といったことを、平時のうちにもう一段具体的に整理しておく価値は大きいと思います。

ここで大切なのは、現場を細かく縛ることではありません。

むしろ、いざという時に『何から手を付ければよいのか分からない』という状態を減らすことです。

現場で求められるのは、完璧な対応ではなく、限られた条件の中で動けることです。

72時間行動計画があることで、判断の土台が共有されていれば、発災時の混乱はかなり小さくできるのではないでしょうか。

江東区のように、避難所数に対して人口規模が大きく、しかも集合住宅や要配慮者支援の課題が重なる都市では、初動を安定させることの意味はとても大きいと思います。

現場が動きやすくなることは、そのまま区民支援の安定にもつながるはずです。

【提案③ 要配慮者対策は、搬送・受入・介護継続まで具体化してこそ機能する】

今回、特に重視したいのが要配慮者対策です。

災害時、最も支援が必要な人に支援が届くかどうかは、理念ではなく運用で決まります。

要配慮者支援の重要性そのものは、すでに計画の中でもしっかり位置付けられています。

そこをさらに強化すべきだ、と単純に言いたいわけではありません。

ただ、災害時に本当に大きな壁になるのは、『支援が大事』という理念の部分よりも、実際にどう搬送し、どこで受け入れ、誰が介護や医療を継続するのかという運用の部分です。

たとえば、道路障害や物流停止が発生すれば、訪問介護、訪問看護、通所介護などの在宅サービスは平時のようには動けなくなる可能性があります。

そうなると、在宅避難を支えることそのものが難しくなるケースも出てきます。

また、福祉避難所は重要な仕組みですが、災害時には施設側の被災や職員不足もあり得ます。

つまり、福祉避難所があるから安心ではなく、そこにどうつなぐのか、その前段階をどう支えるのかがとても大事になるのだと思います。

私はこの点について、もう少し運用レベルで具体化しておく必要があるのではないかと感じています。

たとえば、

・要配慮者搬送を誰が担うのか

・拠点避難所の中で福祉的配慮が必要な人をどう受け入れるのか

・介護・看護の専門職をどう配置または連携するのか

・医療継続が必要な人をどの段階で拾い上げるのか

・在宅支援が止まった人をどのように集約支援へつなぐのか

こうしたことが見えているだけでも、災害時の現場の混乱はかなり違うはずです。

特に江東区は、高齢者も多く、集合住宅率も高く、在宅生活の継続が難しくなる可能性のある地域です。

そう考えると、要配慮者対策は『計画の中に書いてある』だけでは足りず、現場で実際に動かせる支援モデルに近づけていくことが重要だと思います。

その際、行政だけですべてを抱え込むのではなく、介護事業所、福祉法人、看護職などの専門職ネットワークを平時から整理し、災害時の役割分担を見える化しておくことも大切ではないでしょうか。

ここが整理されていれば、現場職員だけに負担が集中するのを防ぎながら、要配慮者支援の実効性も高めやすくなると思います。

※この点については、次回、要配慮者支援や避難所運営を実際にどう回していくのかという観点から、もう少し具体的に書きたいと思います。

【提案④ 行政職員が過度に疲弊しない仕組みを、平時から整えておくことが大切】

そして今回、私が一番強く書きたいのはこの点です。

行政職員が過度に疲弊しない仕組みを、平時から整えておくことは、区民を守るためにも不可欠ではないかということです。

災害時、拠点避難所や各窓口には、区民からさまざまな意見、要望、苦情、相談が集中することが想定されます。

もちろん、それ自体は自然なことです。

誰しも不安の中にありますし、生活が崩れれば声を上げたくなるのは当然です。

しかし、そのすべてを現場職員が個別に直接受け続ける構造のままだと、職員は本来優先すべき業務に集中しにくくなります。

しかも災害時は、通常時とは比較にならないほど判断負担が大きく、長期化すれば心身の疲弊も蓄積します。

私は、ここを『頑張って対応する』という精神論で支えるべきではないと思っています。

むしろ必要なのは、職員が直接受けなくてもよいものは、仕組みで受けるという発想です。

たとえば、避難所で区民の方々からの意見要望を現場の職員が受けるのではなく、一定の様式で受け付けて整理すること。

回答は本部が作成し、個別にその場で返し続けるのではなく、一定の時間ごとにまとめて防災アプリで発信すること。

個別対応が本当に必要な案件だけを仕分けし、現場職員が優先対応すべきことに集中できるようにすること。

こうした仕組みがあるだけでも、現場の負担はかなり違うのではないかと思います。

具体的には、今年度作成した防災アプリに『Q&A』のようなページをつくることを提案したいです(多分コミュニティ機能より重要だと思う)。

これがあれば、在宅避難者の声が防災アプリを通して行政に届けることができます(これは特に高層マンションなどで孤立しない環境を整備する上で超重要だと思います)。

また、拠点避難所では、入口付近に紙と筆記用具を置き、意見や要望があれば記入して提出していただく形にする。防災アプリを使える方は、アプリから入力できるようにする。

その内容を職員が災害本部に集約し、本部側で整理・検証したうえで、防災アプリ等を通じて回答していく。

こんな感じで仕組みができれば、データとしても区民の声を残すことができるため、(ないことを願いつつ)以降災害時、環境整備の強化(アップデート)に役立てることもできます。

また、意見要望や苦情対応だけでなく、判断基準の明確化や役割分担の整理も重要です。

誰が何を判断するのか、どこから先は上位判断なのか、どこまで現場裁量なのかが見えていれば、職員は必要以上に悩まずに済みます。

私は、行政職員を守ることは、決して職員だけのためではないと思っています。

職員が疲弊すれば、行政機能そのものが不安定になり、最も困るのは区民です。

だからこそ、行政職員が過度に疲弊しない仕組みを平時から整えておくことは、防災の本質的な課題のひとつではないかと感じています。

現場の知恵や実務感覚を大切にしながら、少しずつでも実効性を高めていけたらと思います。

【平時の準備は、発災時の属人化と混乱を減らすための投資】

ここで、誤解のないように一つ書いておきたいです。

今回書いている提案は、現場に新たな負担を上乗せしたいという意味ではありません。

たしかに、平時に協定、訓練、マニュアル整備、役割分担の整理などを進めるには、一定の労力が必要です。

けれども、それは発災時の混乱や属人化を減らすための投資でもあると思います。

災害時に一番危険なのは、現場の経験や気合いに頼らないと回らない状態です。

それでは、担当者が替わったり、想定外が重なったりしたときに、一気に厳しくなります。

逆に言えば、今から少しずつでも、

・役割分担を見える化する

・判断基準を整理する

・専門職との連携を詰める

現場職員が直接抱え込まない仕組みを整える

といったことを積み上げていけば、いざという時に現場の職員がより動きやすくなります。

私が提案したいのは、まさにその部分です。

【2030年という節目を置いて、段階的に運用化を進めていくことが重要では】

防災対策は、必要性が理解されていても、期限が曖昧だとどうしても後ろ倒しになりやすい側面があります。

日常業務がある中で、防災だけを常に最優先にし続けるのは現実には難しいからです。

だからこそ私は、2030年という節目を置いて、地域防災計画の運用化を段階的に進めていくことが大切ではないかと考えています。

これは現場に無理をかけるための目標ではありません。

むしろ逆で、今から少しずつ、訓練、協定、マニュアル整備、人材体制の強化、要配慮者支援の具体化を進めていけば、発災時の混乱や属人化を減らせるのではないか、という考えです。

防災は、一度で完成するものではありません。

だからこそ、節目を置きながら、平時のうちに段階的に実効性を高めていく必要があるのだと思います。

江東区は、首都直下地震への備えも、水害への備えも、そして都市型災害特有の生活維持への備えも、どれも避けて通れない地域です。

だからこそ、計画の中身をさらに運用に近づける作業は、今後とても重要になるのではないでしょうか。

【最後に】

江東区の地域防災計画は、すでに多くの論点が丁寧に整理されています。

だからこそ、次の段階として必要なのは、その内容を現場で本当に動ける形へ具体化していくことではないかと私は感じています。

繰り返しになりますが、これは行政批判をしたいわけではありません。

むしろ、危機管理室をはじめ、限られた人員の中で日々取り組んでいる職員の皆さんへの敬意があるからこそ、いざという時に現場の職員が混乱せず、過度に疲弊せず、必要な対応に集中できる仕組みづくりが重要だと思っています。

行政職員が守られることは、区民が守られることにつながります。

職員が迷わず動ける計画、負担が一点に集中しない仕組み、要配慮者支援が運用レベルで回る体制。

そうしたものを平時から少しずつ整えていくことが、江東区の防災力を本当の意味で高めることにつながるのではないでしょうか。

私自身、まだまだ防災について学びの途中ではありますが、だからこそ資料を読み、現場を想像しながら、『どうしたらもっと実効性のある仕組みにできるか』を考え続けたいと思っています。

今後も、現場を支える視点を大切にしながら、防災について提案していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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