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今日は、予算審査特別委員会がなく、一日中、予算審査の勉強をしていました(他議員の通告書を読み自分が知らない分野を学んでいました)。
1期生は、積み上げられた知識がないから都度勉強しなくてはいけないというところは、楽しいけど結構しんどいですね。
そんな中、登庁したら机上に昨年10月下旬に行われた講演の資料が置かれていました。
これは非常に注目しており参加を申し込んでいたけれど、直前で外せない用事が出来てしまい、泣く泣く欠席の連絡を入れた講演だったため、文字起こし付きでじっくり読むことができてとてもありがたかったです。
・・・というのも、ワタクシ、1年目は『40歳から64歳までの所管がない』という問題定義を一般質問を始め様々な機会に行政へは問題定義していたからです(結局、大半が就労という形で社会と繋がっているため、特段新たな所管を設けるのではなく、課題に応じて個別の所管で対応する形と説明を受け撃沈しました)。
ちなみに、講演のタイトルは『ミドル期の社会関係と行政の課題~東京23区の現状と未来~』で、講師は宮本みち子先生です。
そんなわけで、今回は、講演内容を踏まえて、改めて『ミドル期のおひとりさま』について書きます。
では、行ってみよー☆
【講演の内容をざっくりと】
まず、講演で定義されたミドル期とは下記のとおりです。
ミドル期:35歳以上64歳未満
これ、私個人はミドル期を40歳から64歳としていたため、35歳からミドル期というのか・・・ということに軽い衝撃を受けました。
続いて、講演の内容ですが、ざっくり要約するとこんな感じです。
東京を中心に増加する『ミドル期シングル』の実態と、その社会的影響を分析した講演。
未婚化の進行により、ミドル期の一人暮らしは急増し、今後はそのまま高齢期へ移行する層が拡大することが示されている。
彼らは従来の『家族』を前提とした社会保障や地域構造の枠組みに十分組み込まれておらず、孤立、経済的不安、介護負担、住宅問題など複合的な課題を抱えている。
特に男性の社会的孤立や、女性シングルによる親介護の集中など、性別による特徴も顕著である。
家族機能が弱まる中で、行政だけでなく地域・企業・市民活動が新たな『支えの担い手』となる必要性が提起され、『役割のない個人』から『役割を持つ個人』への転換が重要な視点として示されている。
読まれた方は、『まぁ、そうだよね』と思われることと思いますが、これに対して対策が進んでいないことが何よりも課題だと宮本先生は警鐘を鳴らしているわけです。
ここ、地域コミュニティに関しては私も同感で、そもそものシングル急増世代は55歳になろうとしているからこそ、逆算して、彼らが退職等就労から離れる機会に次のつながりにスムーズに進める仕組みを『今から』検討し構築する必要があると思っているわけですが、単身高齢者の対策は進んでいると感じています。
【現状整理してみる】
1980年に約711万人だった全国の単身世帯は、2020年には約2,115万人へと約3倍に増加しています。
特にミドル期の一人暮らしは1980年の35万人から2020年には326万人へと急増しているという状況なのです。
東京23区は全国でもシングル率が高く、未婚率の上昇により今後も増加が見込まれると言われているほか、調査では、男性は社会関係が乏しく孤立しやすく、女性は親との関係が強く介護を担いやすい傾向があります。
さらに、雇用の不安定さや低年金加入率、相対的貧困率の高さなど経済的脆弱性も確認されています。
多くは家族を持たないまま中高年期を迎え、将来的に高齢単身者として社会的リスクを抱える構造にあります。
・・・というのが、現在の状況です。
ここで気を付けなければならいのは『単身世帯自体が課題ではない』ということです。
単身世帯の急増自体は、あくまでも事象なんですね。
その上で、単身世帯が増加することによる課題は何かについて、続いて書きますね。
【課題と問題定義はこんな感じ】
ミドル期シングルは急増しているにもかかわらず、現行制度は高齢者や子育て世帯を主対象としており、この層を十分に射程に入れていないことが一番の課題だと宮本先生は主張しています。
その結果、社会的孤立、経済的不安、低年金加入率、住宅不安、親の介護負担の集中など複合的リスクが蓄積されており、特に、男性は社会関係が希薄で孤立しやすく、女性は親との結びつきが強い分、介護を引き受けやすい傾向がるとしています。
それにより、家族を持たない、あるいは家族機能が弱いまま中高年期を迎える人が増え、高齢期に支えを欠く構造が広がっている点が大きな課題と宮本先生は主張しておられました。
その上で、本質的な問題は、『家族が担うこと』を前提に社会制度が設計されてきた点にあります。
家族機能が弱体化する一方で、その代替となる社会的仕組みが十分に整っていないといのが、宮本先生の問題定義です。
ミドル期シングルは現役世代であるため問題が可視化されにくく、政策対象としても後回しにされてきましたが、この層がそのまま高齢化すれば、孤立、健康悪化、生活保護や介護需要の急増といった形で社会的コストが顕在化する。
つまり現在は『静かなリスクの蓄積段階』にあり、将来の構造的負担を生み出すことが問題の核心であるというのが、先生の主張なんです。
これに関しては私も同意ですが、皆さまはどう感じましたか?
【解決提案と私見】
資料では、家族機能を家族だけに戻すのではなく、社会全体で再編する方向が示されています。
同時にそれは、行政サービスの拡充だけでなく、地域・企業・市民活動を含めた多元的な支え合いの仕組みづくりが必要とされると主張されています。
具体的には、シングルを「役割のない個人」として放置するのではなく、地域活動、プロボノ、学校支援、里親制度など多様な社会参加の機会を広げ、「役割を持つ個人」へ転換していく視点が提案されています。
また、孤立を防ぐ住宅環境の再設計など、生活基盤そのものの見直しも重要な対応策として示されています。
これに関しては、私は総論賛成各論疑問視というスタンスです。
そもそも社会は単身者を『役割のない個人』とは見ていないということが一点、そして『役割を持つ個人へ』という言葉は負荷を感じさせる部分が多分にあるため、それよりも『単身者に関わらずすべての世代の人が“自分の居場所を感じられる活動を行う”の方が良いのではないか』と思うんです。
うまく書けないのですが、必要以上に『単身者は将来さまざまなリスクを抱える』と警鐘を鳴らすのではなく、『これからは個々が自分らしく生きる時代だよね』という前提で、自分らしく生活できる環境(わかりやすい選択肢の掲示)を行政が主導となり地域と連携しながら整備していくという方が、良いのではないかなぁと思うわけで。
また、宮本先生ご自身が『将来(高齢期)に困るよ』と警笛を鳴らしているとおり、具体的な支援を整備するのは障がいと高齢期の支援であり、ミドル期への支援は『地域にどんな居場所があるか』をわかりやすくまとめ、ミドル期が将来(高齢期)を考え『そろそろ自分も仕事以外の居場所を探そうかなぁ』と思った時に、スムーズに行動に移せる環境整備で十分だと考えています。
そして、そういう意味で江東区は、すでに1,500を超えるサークルや活動団体があるため、あとはそれを『見やすい形/調べやすい形』に整備することが何よりも重要だと思うんですよね(それは動画が良いのかテキストが良いのかフローチャートが良いのかはわかりませんが)。
私自身、何十年も介護業界でさまざまな老齢期から終末期に携わらせていただきましたが、人って一人では生きていけないんですよね(どうでもよいけど、私は人とは個人を指す意味で使っています)。
また、昨今、なんでも困ったら行政という風潮が強まると同時に、平等と公平(は両立しないのに)を両立しようという風潮が高まっていることを私は危惧しています。
先生の主張は十分理解しつつ、解決に関しては、『家族がいなくて困るだろうからリスクを予測して行政や地域がお膳立てする』と考えるのではなく、まずは一人ひとりが持っている資源をちゃんと整理し、『心身の不調リスクが高まる高齢期以降はこう生きたいな』と考えることのできる環境、そして、その方が望む生き方をするための資源を見やすい形で掲示するという環境整備に力を入れていくことを、行政には提案していきたいなと思いました。
若者だろうが、ミドルだろうが、高齢者だろうが、単身者だろうが、既婚者だろうが、『これだから大丈夫』ということはないからこそ、カテゴライズすることなく環境整備は考え、具体的支援については、対象者のところで『単身世帯』とするなど配慮する方が、当事者にとっても優しいのではないかと思ったのですが、皆さまはいかがですか?
・・・って、こんなことを役所で書いていたら、あっという間に19時が近づいたのでそろそろやめます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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