【勉強会報告】障がい者支援について

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今回は、昨日受けた会派勉強会の報告です(まだ本会議中ですが、委員会が全て終了したため早速勉強会を実施。超真面目だ!)。

今年4月から全事業所に『合理的配慮の提供』が義務化されたことを受け、改めて障がい者差別解消法や江東区の障がい者施策について学びました。

講師を担ってくださった障がい者施策課の小林課長には感謝の気持でいっぱいです。

 

【報告の前に:障がいという表記について】

私のブログの中では、『しょうがい』に関するすべての表記を『障がい』としています。

・・・というのも、そもそも障がいという言葉はかなり悪意に満ちていると感じているからです。

だって、

障(じゃま/さしさわり)

害(悪い結果や影響を及ぼす物事)

ですよ。

『障』を『さしさわり』と意味したとしても、それを『害』にするかは社会次第だと感じており、共生社会を目指しているワタクシとしましては、せめて文字だけでも『害』にしたくないという気持ちから、『障がい』という表記にしています。

 

【江東区の障がい者に関する現状】

江東区の障がい者に関する現状等については『江東区障害者計画・障害福祉計画・障害児福祉計画』に掲載されていますが、人口推移を掲載します。

年々微増傾向にあることがご理解いただけるかと思います。

ちなみに、令和4年3月31日時点の障がい者手帳保持者は、江東区民の4.51%になります。

この現状に対して、令和6年度の障がい者福祉関係の予算としてはこのようになっています。

一般会計のうち民生費が約46%を占めているのですが、この民生費のうち約16%が障がい者に関わる予算となっています。

江東区内の障がい者サービスの提供数は、ここに掲示するには多すぎるため割愛しますが、障がい者(児)施設では共同生活援助や児童発達支援や放課後デイサービス等、在宅サービスでは居宅介護が特に数を拡大しています。

障がいのある方々の全てを満たすとはいかないまでも、状況に応じて徐々に向上している様子がわかりました。

 

【合理的配慮について】

続いて、今年4月より義務化された『合理的配慮の提供』についての説明を受けました。

合理的配慮は、障がい者差別解消法に基づいて義務化されたものですが、この法律は、障害者基本法の基本的な理念にのっとっています(障がい者差別解消法の経緯と概要について興味のある方は、こちらをご覧ください)。

(差別の禁止)
第四条 何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない
2 社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによつて前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない
3 国は、第一項の規定に違反する行為の防止に関する啓発及び知識の普及を図るため、当該行為の防止を図るために必要となる情報の収集、整理及び提供を行うものとする。

ちなみに、令和3年の障がい者差別解消法改定に伴い義務化されたものですが、法的根拠はこの部分になります。

第六条 政府は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策を総合的かつ一体的に実施するため、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する基本的な方向
二 行政機関等が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項
三 事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項  (続く)

これを基に、

(事業者における障害を理由とする差別の禁止)
第八条 事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない
2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない

となっています。

※ちなみに法律を読む時のコツとしては語尾に注目し、『~しなければならない』は義務で、『~するよう努める』は努力義務となります。今回は『~しなければならない』と変更されているため義務となっています。

具体的な合理的配慮の説明としては、内閣府のリーフレットがわかりやすいため一部抜粋します。

また、合理的配慮は、事務・事業の目的・内容・機能に照らし、以下の3つを満たすものであることに留意する必要があります。

① 必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られること
② 障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであること
③ 事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないこと

この合理的配慮のポイントは『建設的対話を通じて相互理解を深めること』と、『共に対応案を検討していくこと』にあると小林課長は力を入れて説明されていました。

どちらか一方の主張を取り上げるのではなく、対話を通じてお互いの意見をすり合わせていく。

この丁寧な過程を含めたものが『合理的配慮』であり、これが当たり前に行われた先には共生社会の実現につながるのではないかと妄想し、勉強会中にも関わらずニヤニヤしてしまいました。

 

【江東区初!障がい者グループホームの開設に向けて】

最後は、令和8年4月に開設予定の『障がい者グループホーム』の説明を受けました。

これは、牡丹地域にある都有地貸付で計画されている計画で、日中サービス型支援という重度の方々を対象として受け入れる体制を整備することとなっています。

日中サービス支援型グループホームは全国でも200弱しかないのですが、それが江東区にもできるということ、そして短期入所の対応体制も整えるとのことで、期待はいっぱいです。

・・・というのも、『(障がい者を介護している)親亡き後の介護体制の整備』は喫緊の課題として以前から挙がっていたため、今回のグループホーム開設はとても大きな一歩だと言えるのです。

昨年度は3回地域の方々への説明会を行いましたが、丁寧に説明をされている上に、説明会後も理解を深めるよう地域の方々へ足を運んでいた課長を知っているからこそ、大きな反対運動などもなく進んでいる状況にホッとしております。

また、今回選定された整備運営事業者は、大田区にある社会福祉法人睦月会という、ベテラン事業者が担うことになっています。

前回の住民説明会では法人の方々が来られ、施設についての具体的な説明をしながら住民の方々の質問に丁寧に答えている様子を拝見し、“こうやって少しずつでも障がいのある方とない方の接点をつくっていくことが、共生社会の実現に繋がるんだなぁ”と感じたことを思い出しました。

とにもかくにも、大いに期待すると同時に、今後も地域の方々が安心して受け入れられるよう、小林課長を始め所管の方々には尽力していただきたいです。

 

【障がい者の理解促進を!】

最後に、小林課長に区民へのメッセージをお願いしたところ、次のメッセージを受けました。

障がいの理解促進から、障がいのある方もそうでない方も当事者意識を高めていただけたらと思います。

そして、合理的配慮を特別なことではなく、自然と当たり前に(障がいのある方もそうでない方も)相互理解を深め、思いやりをもって接し、その思いやりを受け止められるようになれるようになっていただきたいと思います。

文章で書くととても柔らかい感じになってしまいましたが(⁉)、小林課長は本来チャキチャキとした早口の課長です(常に両手に荷物を持って小走りのイメージがあります)。

障がい者施策課に就くまで、障がい者については知らなかった分野だと話しておられましたが、だからこそ先入観なくフラットに発せられた小林課長ならではの言葉だと思うと同時に、“相互理解”がすべてのポイントになるんだな、ということを実感しました。

合理的配慮を実施するのも、その先の共生社会を実現するのも、すべてはお互いを知り対話を重ねること。

信頼関係という土台があって、初めて合理的配慮に向けた対話が効果を持つということを改めて認識し、とても有意義な勉強会でした。

そして、議会中にも関わらず、勉強会を引き受けていただいた小林課長に感謝感謝です(ありがとうございます!)。

また、(改めてになりますが)各所管課長はお忙しい中会派勉強会の講師を担ってただいているため、勉強会を通じて所管課長の事業に対する想いをきちんと区民の方々に伝えていかなければならないと感じました。

こんなへっぽこ報告ですが、少しでも区民の方々に行政の想いが伝わりますように(これが相互理解の架け橋になることを願っています)!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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