『社会で子どもを育む』という視点②

ブログへの訪問をありがとうございます!

前回は、子育ての歴史を振り返り、同時に私自身の経験を書かせていただきました。

今回は、大変重い話になるかもしれませんが、子育ての大きな課題のひとつである『社会的養護』について現状や取り組みを書きます。

・・・といっても私も勉強中ですので、これからも引き続き子育ての現状を学びつつ、どうしたら親も子どもも過ごしやすい地域をつくれるか、考えていきたいと思っています。

※内容によっては辛く感じる方がおられるかもしれませんので、くれぐれも無理のない範囲でお読みいただけたらと思います。

 

社会的養護をご存じですか?

令和3年度の全国児童相談対応者とその推移です。

参考:厚生労働省:令和3年全国児童虐待対応件数について資料

全国47都道府県のうち、東京都の件数は26,047件です(リンク資料より計算)。

それに対して、虐待を受けた児童が社会的養護施設等に入所した割合は約15%(約45,000人)弱です。

つまり、85%以上の児童は社会的養護施設等に入所せず、自宅に戻って生活を送っているのです。

通報自体が誤解で、安全に自宅に戻れる状況の子どもが大半であれば良いのですが、現状としてこの数字は『受け皿不足』にあると現状を知る関係者は話しています。

その原因は『養護施設に空きがない』『児童相談所が対応しきれない』などの原因があるとされています。

ちなみに、児童養護施設に入所する児童の70%は親等の虐待経験があるとなっています。

参考データ:厚生労働省:令和4年社会的養育の推進に向けて

 

 

社会的擁護を離れた後に待つ困難

続いて、社会的擁護を離れた後の話になります。

18歳で社会的擁護を離れる際の進路として、大学進学率は全国平均の半分であり、約60%の若者が就職となります。

また、就職後の離職率については、全国平均の倍近い高さとなっています。

 

社会的擁護を離れた後に待つ困難としては、

① 18歳で措置解除。強い孤独感、金銭的教育や生活力を育む機会のないまま、半数以上がいきなり一人暮らし

➤現在では20歳まで措置延長可能ですがほとんど利用されていません。

② 退所後は、ほとんどがすぐ就職となる

③ 2年以内に離職70%、退学20%の現状

➤寮付きの職場選択優先による仕事とのアンマッチ、勉強とバイトの両立困難、人間関係作りの困難、精神疾患の発症・悪化。

などが挙げられています。

その他にも、親からの虐待を受けた後成人した方の話しを聴講した際、『大人になった今でも、当時の記憶がフラッシュバックすることがある』ということを知りました。

 

『地域』で子どもを育てるということ

私自身、初めて児童養護施設や里親の勉強をした時は、言葉が出ませんでした。

ただ、それでは現状なにも変わらない。

私ができることは、現状を一人でも多くの方に知ってもらい、子どもを地域で支える仕組みを江東区の皆さんと一緒に考えていくこと、虐待含む子育てに苦しさを抱える親もサポートする視点を持ちながら『地域で子どもを育む』ためにできることに取り組むことだと考えています。

先日、里親を30年担っている方に話をする機会があり、現在の支援体制の課題や、実際に里親をする中で思うことや考えを聴かせていただきました。

社会的養護についてはまだまだ勉強中ですが、これからも視察やヒアリングを継続しつつ地域の方々を巻き込みながら、『地域で子どもを育てるということ』について考え発信していきたいと思います。

 

次回は、具体的に『じゃあ、地域でなにができるだろう?』という視点で書きたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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