ブログへの訪問をありがとうございます!
今日は夜に会合があるため早めに更新をしています。
そのため、昨日行ったことの追加報告になりますが、次回の国への意見書提出提案に向けて、関係所管に確認を取った件について書きます。
突然ですが、皆さまはマイナンバーカードをお持ちでしょうか?
私は、昨年春から防災・まちづくり特別委員会の委員を拝命して以降、災害時にいわゆる要配慮者の方々が安心して必要な支援を受けられる体制づくりを考えていたのですが、その手段の一つに『マイナンバーの活用』を考えています。
そんなわけで、今回は『災害時におけるマイナンバー活用推進に関する提案』について書きます。
【マイナンバー制度の本来の目的と課題】
法律上、マイナンバー制度は、社会保障・税・災害対策の分野における情報連携の効率化を目的にしています。
法第1条:「行政事務の簡素化、国民の利便性の向上及び公平・公正な社会の実現」を目的とする。
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律
その中で、「災害対策」はマイナンバーの3本柱のひとつとして明記されています。
つまり本来は、災害時こそ活かすべき仕組みとなっているのです。
災害時に「疾患や服薬情報、障害の有無、介護度」などが即座に把握できれば、避難行動要支援者支援・医療トリアージ・薬剤提供が桁違いに効率化されるわけです。
実際、国の「マイナンバー法」では以下のような使途が認められています。
◆災害救助法適用時の被災者台帳作成
◆罹災証明や被災者支援金給付などの事務効率化
◆行政間での被災者情報の迅速な共有
つまり、法的には「災害時利用OK」な仕組みとなっているのですね。
しかし、現実的には活用の推進に至っておらず、ここに『もったいなさ』を感じているのです。
この現状について、(私の調べた限り)現実に運用が進まない4つの壁として、以下の理由がわかりました。
① 法的制約:マイナンバー法では行政目的外利用が原則禁止されており、医療・介護・防災分野を横断した情報共有の法的根拠が明確でない。
② 技術的制約:自治体の福祉・防災・医療・介護システムが独立して運用され、災害時にリアルタイムで連携する仕組みが未整備。
③ 運用上の課題:災害現場でマイナンバー情報を適正に扱える体制や訓練が不足。
④ 社会的課題:住民の個人情報保護への懸念が根強く、行政側も慎重運用に偏っている。
一つずつ説明していきますね。
① 個人情報保護と「目的外利用」への過度な懸念
行政機関・医療機関ともに「マイナンバーで医療情報を見る=個人情報漏えいリスク」と捉える傾向が強い。
マイナンバー法上は「特定の行政目的に限る」原則があるため、医療・福祉・防災を横断的に共有する法的根拠が弱い。
つまり、「支援のために見ることは合理的」でも、「制度上明確に許可されていない」状態となっている。
② システム連携の未整備
現状、自治体の福祉・防災・医療・介護システムが別々のベンダー・仕様で運用されており、マイナンバーを共通キーに「リアルタイム連携」する仕組みが整っていない。
結果として、「理論上できる」けど「技術的に繋がっていない」。
③ 現場職員の運用リテラシー・体制不足
災害時にマイナンバーを扱う場合、閲覧・記録・廃棄のルールが厳格に定められており、現場の混乱時に適正運用できる職員体制がない。
結果、「触るリスクを避ける」運用になっている。
④ 国民側の「監視・管理」への心理的抵抗
「健康情報まで国に一元管理されるのでは」という懸念が根強い。
政府が「安全な活用モデル」を提示できていないため、政治的にも慎重に扱われている。
そこで、これらを解決するためにどうしたらよいかを考え、『まずは国に災害時のマイナンバー活用推進のための意見書を提案する』ことにしたのでした。
【地方議会の意見書について】
地方議会の意見書とは、地方自治法第99条に基づき、国(内閣・各省庁・国会など)に対して、地方自治体としての意思や要望を正式に表明する文書のことを指します。
法的拘束力はないのですが、「正式な公文書」として国に届く仕組みであり、命令ではないが、無視もしづらい“制度化された声”となります。
これは、「地方自治体の現場から見て、国の制度にどんな歪みがあるか」を示すことであり、とても意味のあるものだと私は認識しています。
つまり、意見書は「地方自治体の正式な要望」であり「政治的リスクを下げる証拠」として使われるわけです。
【こんな提案をしてみました】
そんなわけで、今回は先ほど挙げた課題解決に向け、以下の提案を作成してみました。
箇条書きとなっていますが、これが実現することで、災害時でも皆さまの生命の安全を守ることができると考えています。
1 災害時マイナンバー活用の明確なガイドライン整備
災害対策基本法に基づく”災害時特例”として、行政・医療・介護・福祉の各分野が安全に情報連携できる具体的な運用指針を国として作成すること。
特に「要配慮者支援」「医療・介護の継続」「避難所管理」における具体的ユースケースを示し、自治体が安心して活用できる環境を整備すること。
2 自治体間・医療介護分野との情報連携基盤の強化
マイナンバーをキーとした「被災者情報連携基盤(仮称)」を国主導で整備し、自治体・医療機関・介護事業所が迅速に情報照会できる仕組みを構築すること。
DWH(データウェアハウス)や災害時即応クラウドの整備により、被災自治体のシステム障害時でも最低限の支援が継続できるようにすること。
3 避難所運営におけるマイナンバーカード活用の促進
避難所受付でのマイナンバーカード読み取りによる本人確認、要配慮者属性(高齢、障害、医療的ケア児等)の迅速把握が可能となるよう、読み取り端末と標準システムを全国に整備すること。
災害時におけるカード紛失・未所持者への代替措置(準拠ID発行など)を制度化すること。
4 医療・介護データの災害時利活用の法整備
マイナポータルとオンライン資格確認等システムを活用し、服薬情報・診療履歴・ケアプラン等を災害時に安全に共有可能とする法整備を進めること。
介護サービス継続に必要な最低限の情報(要介護度、支援経過、主治医意見など)を迅速に抽出できる仕組みを構築すること。
5 個人情報保護と説明責任の強化
災害時の情報利用について、利用目的・範囲・期間を限定し、トレーサビリティを担保するログ管理を義務化すること。
国による丁寧な広報と、自治体現場の研修体制強化により、住民の理解醸成と安心感の確保を図ること。
こんな感じで解決法を考えたのですが、なにぶんマイナンバー法など法律の細かい部分に詳しくない私。
そこで、情報システム課長に意見書を作るに至った経過と意見書をお渡しし、法的に提案内容は問題ないかをチェックしてもらうことにしました。
お忙しい中、嫌な顔もせずに受け取ってくれた所管課長には感謝の気持でいっぱいです。
真面目な話、マイナンバー活用推進と高齢者に関してはケアプランデータ連携システムが整備されれば、災害が来ても要配慮者を守る体制づくりは大きく前進すると思うんですよん。
なんて・・・今回も長文になってしまいましたが、事象から課題を抽出して解決方法を考え、一つひとつ取り組んでいきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事へのコメントはありません。