避難所に行かなくてもよい人を増やす☆

本日の要約

結論:江東区の避難所は最大想定避難者数をすべて受け入れる規模ではなく、在宅避難を前提にした備えが重要です。

理由:最大想定では避難者約23.4万人に対し、避難所収容人数は約16.3万人で、約7万人分の不足が見込まれるからです。

何をするか:今回は、避難所収容人数と想定避難者数を計算し、在宅避難に向けた備えと情報発信の必要性を整理します。

ブログへの訪問をありがとうございます!

今日は一日、地域福祉計画事案と地域防災計画事案で関係課長に質問をしていました。

課長の意識や現状を知ることができたので、今後の提案の仕方を整理していこうと思います。

 

そうそう!

昨日、防災関係の備蓄確認と整理をしていた関係で、今日は『区内避難所の収容状況を計算してみよう』と考え取り組んだため、報告します。

では、行ってみよー☆

 

【現状を確認】

まずは、現状把握ということで、江東区地域防災計画(令和7年度修正版)にて、避難所状況を確認しました。

江東区内の避難所は全部で193箇所あり163,400人が収容できる人数とされています。

地域別で表記されているため、ご確認ください。

地域防災計画資料編1ー21ページ以降

また、区内に福祉避難所は28箇所ありますが、こちらは受け入れ状況を確認したのち、順次、福祉避難所に移送することとなっています。

福祉避難所は、被災時の状況により職員体制が異なるため、江東区では受け入れ人数を明記せず、震災時に行政と連携を図りながら受け入れ人数を伝えるようになっています。

そのため、個別避難計画書作成を希望する方は、まずは、拠点避難所に集まるようになっています。

そして、令和7年11月20日時点で個別避難計画作成を希望されている方は21,288人です(在宅避難の方含む)。

 

続いて、地域防災計画震災編第一部から、『第3節 計画の前提』をみていきます。

本計画では、区内の 13.7%が震度7、84.4%で震度6強となり、大きな被害が想定される『都心南部直下地震』を想定するとしており、規模はマグニチュード7.3となっています。

季節は冬の想定で、朝・昼・夜の3パターンで想定しています。

各時間帯の被害状況は下記の図のとおりです。

ここでみていただきたいのは、社会的影響の中にある『避難者数(最大)(人)』です。

一番多い夜の時間帯で、避難者数は234,027人となっています。

この数字の根拠はわかりませんが、住宅課に確認したところ、江東区内は集合住宅が全体の9割近くを占めており、その中で築40年を超えている建物は23%程度とのことでした。

もちろん、メンテナンスをしているかなど建物の状況によって一概には言えませんが、このあたりの状況を加味して算出しているということは確認しています。

そして、区内の集合住宅の状況や耐震化の進捗を踏まえると、すべての区民が避難所へ行く前提ではなく、建物に大きな被害がない場合は在宅避難を基本に考える必要があります。

 

【計算してみよう】

先ほどの人数を簡単に書きますね。

なお、ここでは2つの見方で計算します。

1つ目は『区民全体に対する避難所容量』、2つ目は『最大想定避難者数に対する避難所収容率』です。

意味が異なるため、分けて見ていきます。

先ほどの数字を基に、どのくらいの方が避難所で受け入れてもらえるかを計算してみます。

当区の人口:544,241人(令和8年5月1日時点)

区内避難所収容人数は163,400人(令和8年1月時点)

個別避難計画作成申請者数は21,288人(令和7年11月時点)

個別避難計画作成申請者は全員避難所に行くとして、それ以外の区民が避難所に収容できる割合を%で表示してみます。

個別避難計画作成申請者21,288人が全員避難所に行くとすると、まず避難所容量からその分を差し引きます。

163,400−21,288=142,112人

申請者以外の区民数は、

544,241−21,288=522,953人

したがって、申請者以外の区民が避難所に収容できる割合は、

142,112÷522,953×100=27.17%

というわけで、区民全体で見た場合、個別避難計画作成申請者を除いた一般区民のうち、避難所で収容可能な割合は27.17%ということになります。

これは、実際に避難する人の割合ではなく、あくまで区民全体を母数にした場合の避難所容量の目安です。

 

ちなみに、時間別避難想定人数で計算してみると、こんな感じです。

最大は、冬・夕方18時の234,027人です。

一方、区内の災害時避難所は、合計で193避難所、収容人数163,400人とされています。

内訳は、小・中・高等学校等が113,020人、公共施設が45,870人、民間施設が4,510人です。

単純比較すると、234,027−163,400=70,627人です。

つまり、M7.3最大想定では、避難所は約70,600人分不足します。

収容率は、163,400÷234,027×100=69.82%なので、最大避難者数に対して避難所で受け入れられるのは約69.8%です。

また、個別避難計画作成申請者21,288人が全員拠点避難所に行くとすると、一般避難者に残る避難所枠は、163,400−21,288=142,112人です。

M7.3最大想定の避難者234,027人の中に、個別避難計画作成申請者21,288人が含まれていると仮定すると、それ以外の避難者は

234,027−21,288=212,739人です。

この人たちのうち避難所に入れる割合は、142,112÷212,739×100=66.80%。

つまり、M7.3最大想定時、個別避難計画作成申請者を全員受け入れた後、それ以外の避難者の収容率は約66.8%です。

言い換えると、それ以外の避難者のうち約33.2%は避難所に入れない計算です。

人数でいうと、212,739−142,112=70,627人です。

いずれにしても、最大想定では約7万人分の避難所容量が不足する計算になります。

 

【じゃあどうしよう】

今回、私は行政を責める気は全くありません。

むしろ、つじつま合わせ的に被害想定をつくるのではなく、福祉関係だけでなく江東区の現状を土木部や都市整備部など、さまざまな部署と連携しながらきちんと算出していることは高く評価しています。

現状は、避難所は希望しても受け入れが難しいということが分かりました。

ここからは発想の転換が必要で、江東区は『基本は在宅避難』と言っています。

これは、とても重要な発信です。

避難所は『すべての人が行く場所』ではなく、『自宅に留まることが危険な人が命を守るために使う場所』として考える必要があります。

もちろん、築年数だけで倒壊危険性を判断することはできません。

ただ、区内の集合住宅の状況や耐震化の進捗を踏まえると、すべての区民が避難所へ行く前提ではなく、建物に大きな被害がない場合は在宅避難を基本に考える必要があります。

そのため、『自宅で安全を確保できる場合は在宅避難を基本にする』という考え方を、江東区はさらに分かりやすく発信してよいと思います。

その代わり、江東区は区民の方々が在宅避難しても不安を最小限にできるよう、環境整備に力を入れる必要があります。

その一つは、今年9月から始まる『簡易トイレ及びトイレガイドブックの配布』ですが、それ以外にも、食料や水をはじめとする物資配給について『どこで、いつ、どのように受け取れるのか』が区民に届くよう、情報発信を整える必要があると感じました。

また、区からの情報をしっかり届ける必要があります。

所管課長に確認したところ、昨年度から始まった『防災アプリ』は、現在4万以上のダウンロードがされているため、例えば、防災アプリのお知らせを使って、各エリアの水や食料配布の案内をしたり、(アプリを確認できない方には)避難所に紙を貼りだすなど、あらかじめ『配給予定を周知する仕組み』をしっかりと構築する必要があります。

課長からは、『防災アプリで案内はしていく予定』と回答を得ているため、そのことに期待しつつ、区民の方々には、防災アプリのダウンロードはもちろんのこと、モバイルバッテリーの準備など『江東区からの情報を受け取る環境整備』をしていただけるよう周知を図る必要があると感じました。

一歩一歩計画と現状をみながら、より安全な環境整備に努めている江東区に期待しています。

同時に、だからこそ、私たち区民は、いざという時にパニックにならないよう、地震への備えをしっかりしておく必要があると感じました。

 

【おわりに】

震災は、いつ来るかわからないからこそ不安になりがちですが、逆を言えば、今震災が来ていないからこそ準備することができます。

不安を不安のままにせず、できる備えを一つずつ進めておくことが、震災時の混乱と不安を最小限にすることにつながると感じています。

備蓄リストなどについては、『東京都防災アプリ』のアプリをダウンロードしていただき確認いただけたらと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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