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今回から、現在行われている江東区議会第2回定例会の一般質問の内容について、大綱ごとに詳細を記載していきます。
【今回の質問ポイントについて】
今回は、毎年低下している町会・自治会加入率を踏まえ、地域活動団体に対する位置づけと行政の捉え方、また、今後どのように担い手を増やしていこうとしているかの質問をしました。
私自身、10年以上地域活動に携わる中で、その形の変化を実感してるからこそ、既存の地域活動のあり方を更新する形が必要だと感じており、官民協働をより強力に進める必要があると感じています。
だからこそ、現時点で行政が地域活動をどのように捉えているか、今後、活動の促進に向けてどのように考えているのかに重きを置いて質問をしています。
【一般質問やり取り】
【質問】
まずは、大綱1点目の『地域のつながりづくりと地域活動団体について』です。
本年3月に出された『地域福祉に関する区民アンケート』によると、『近所や地域との関わりは必要か?』という問いに対し、関わりは必要と思う割合について、令和3年度は87.8%だったものが、令和6年度は78.7%と減少しています。
また、『住んでいる地域でお互いに助け合うようなつながりを感じるか?』という質問では、『あまり感じない』が最多で38.3%、次いで『少し感じる』が32.7%となっています。
一方で、『顔も知らない人が多い』と回答した人の詳細を確認すると、地域で知り合いがいない状況でも地域貢献したいと思っている人が17.2%おり、活動の参加条件としては『自分の能力向上につながること』『参加に報酬があること』が30%以上となっております。
このように、自ら主体的に地域活動に参加する気持ちは薄いけれど、興味と余裕があったら参加しても良いと考えている人がいることも事実であり、今後、これらの方々を、いかに地域活動に参加・参画していただけるかが重要になります。
そこで、地域のつながりづくりに対するこれまでの取組状況と、課題に対する本区の見解を伺います。
また、こうした状況を踏まえ、『住民同士の助け合いを地域で広げるために、区が力を入れて取り組むべきことは何か?』という質問では、『わかりやすい福祉情報の提供・地域活動情報の提供』が最も高くなっています。
しかし、現状、これらの情報は十分区民に届いているという状況ではないと感じています。
例えば、地域コミュニティ活動支援サイトの『ことこみゅネット』ですが、地域活動を担っている仲間や知り合い数百人に存在や活用を聞いたところ、『そのようなサイトがあることを知らない。または、聞いたことはあるが閲覧していない』という回答が8割を超えていました。
この現状は、行政が良い悪いではなく、情報過多の時代においてそれだけ広報が難しくなっていることを意味していると感じています。
そこで、わかりやすい情報提供を希望している区民の声が一番多い現状を踏まえ、今後、どのように福祉サービスや地域活動情報を区民に周知し、助け合いや参加につなげていく予定なのか伺います。
地域や活動に興味を持った方を参加につなげ、地域力を上げる。そのための環境づくりについて、今一度、発展に向け検討していただくことを要望いたします。
続いて、地域活動団体についてお聞きします。
3年前に地域活動をしている団体にアンケートを取った際、団体が課題と感じていることは『担い手や後継者がいない』『活動場所がない』『活動資金がない』という『ヒト・モノ・カネ』の3つでした。
この3つについて、本区は様々な所管で助成金事業を進めていますが、これが常態化し行政頼みのみの活動となると、団体の自主性や柔軟な対応が減ってしまうリスクがあると、私は危惧しています。
同時に、これからの地域活動のあり方の一つとして、『団体同士が重なる部分で協働できる環境づくり』と『団体が活動資金を自分達で得られる環境づくり』が必要になると感じています。
例えば、町会・自治会と活動団体や活動団体同士を繋ぎ、人材不足をお互いでカバーし合える環境づくりや、活動団体が地域の企業と交流できる機会を持ち、地域の企業から寄付を募れる体制をつくるなど、様々な取組みが考えられますが、それらを行政が主導して進めていくことが、地域福祉の発展には欠かせないと考えています。
そこで質問ですが、本区は町会・自治会や地域活動団体など、いわゆる地域福祉を支えている既存の団体をどのように受け止め、どのような課題を感じておられるか伺います。また、今後、本区の地域福祉発展に向け団体をどのように支援していく予定なのか伺います。
地域で行う活動は「自分よし・相手よし・地域よし」の三方よしの関係と持続可能性が必要であり、地域で活躍される団体が、この三方よしを気持ちよく行えるよう環境を整えることが、行政の大切な役割の一つであると考えます。
そのために、団体が「やりたいこと・できること・社会に求められてること」の重なる部分で活動できるよう後押しするとともに、団体が持続可能な体制で活動を行えるように環境を整えることを要望し、この質問を終わります。
【答弁】
加藤陽子議員のご質問にお答えします。
初めに、地域のつながりづくりと地域活動団体についてであります。
まず、地域のつながりづくりに対する取組状況と課題についてでありますが、現行の江東区地域福祉計画では、包括的な支援体制を構築するため、「地域」「行政」「地域と行政」の3つのつながりをつくることとしております。
このうち地域のつながりづくりについては、社会福祉協議会の地域拠点の整備等を進め、身近な相談支援体制の充実や、地域人材の発掘に取り組んでまいりました。
第2期計画においても、こうした取組を一層推進していく考えですが、区民アンケート等で明らかになった意識の変化も踏まえながら、交流の場の創出や活動内容の魅力発信など、より多様な方々が地域活動に興味を持ち、参加していただけるような仕掛けをつくることが課題であると認識しております。
次に、福祉サービスや地域活動情報の区民への周知についてでありますが、支援を必要とする方へ情報を確実に届けられるよう、区報やホームページ、SNS、リーフレットなど、さまざまな媒体の中から対象者に適したものを選択し、わかりやすい情報発信に取り組んでいく考えです。
また、江東区コミュニティ活動支援サイト「ことこみゅネット」は、令和5年度に開設した、行政と地域との橋渡しを担う中間支援組織「江東区ボランティア・地域貢献活動支援センター」へ、同年4月に管理を移管し、団体登録時や広報セミナー等を通じて利用紹介等を行っているところです。
引き続きセンター利用団体への利用促進のほか、サイト自体の認知度向上にも努めてまいります。
次に、地域福祉を支える既存団体に対する受け止めと課題についてであります。
地域福祉を支える町会・自治会とNPO等の地域貢献活動団体には、それぞれ特徴があり、町会・自治会は地元のつながりを基盤として、防災・防犯・清掃活動などさまざまな分野で住民が協力して活動を行う、地域コミュニティの中心的な存在となっております。また、地域貢献活動団体は、特定の目的に賛同する方々で構成され、地域において特色のある活動をされているものと認識しております。
一方で、これらの団体では、少子高齢化の進行や、ライフスタイル、働き方の多様化等が進んでおり、会員の減少や役員等の担い手不足などが深刻な課題であると認識しております。
次に、今後の団体支援についてであります。
地域課題を解決するためには、町会・自治会と地域貢献活動団体双方の得意分野や資源を活かせるよう、連携することが求められています。
こうした連携の実現に向け、「江東区ボランティア・地域貢献活動支援センター」が、区内企業や各団体との連携・協働のコーディネートや、団体運営に関する支援の充実に取り組んでいるところです。
今後も、本センターの役割を広くPRし、地域の多様なニーズを踏まえながら、地域活動活発化の支援を行ってまいります。
答弁をそのまま文字起こしした為長文になってしまいましたが、今後も地域活動団体のあり方を考えつつ、地域福祉の中での位置づけの明確化と、地域でどのように連携体制を構築していくかを行政と意見交換しながら、『誰でも参加できる地域活動』を持続可能な形で実現できるよう進めていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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