平等と多様性について~DEI???~

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昨日、第2回定例会(議会)が終了しました。

昨日の本会議では、2年近くに渡って検討されていた『パートナーシップ条例』について賛否が問われ、賛成22、反対19の賛成多数で条例は可決されました。

私自身は、本区では議論が十分になされていないと感じており、一定数以上の反対があることから現時点で時期総称であり慎重のスタンスを取っていました。

とまぁ、ここ数十年は多様性(ダイバーシティ)が流行っており、LGBT法案を始め個を尊重した流れが加速していると感じています。

現在、選挙の争点にもなりそうな『選択制夫婦別姓制度』も然り…ですね。

そんなわけで、ちょうど年度末ということもあり、改めて多様性から社会の変化を考えていきたいと思います。

きっと恐らく、とても長くなると思うので、何回かに分けて書いていこうと思います。

気長にお付き合いいただけましたら幸いです☆

では、レッツ・ゴ―♪

 

【そもそも多様性って】

結論から先に書いてしまうと、多様性(ダイバーシティ)が始まったのはアメリカです。

『人種や性別で差別しちゃダメ』という人権意識から、1960~1970年代に公民権運動(黒人差別に反対する運動)や女性解放運動が活発になりました。

その後、1980年代に入るとアメリカの企業で、『いろんな人が働く方が組織は強くなる』という考え方が出てきました。

ここで、『ダイバーシティ・マネジメント(多様性経営)』という言葉が生まれたんですね。

 

この流れは世界に広がっていき、「多様性はビジネスにも社会にも大事だよね」と世界中に広がり始めました。

国際機関(国連とか)でも「多様性の尊重」が重要テーマになるくらいであり、いかに大きく広がりを見せてたかがわかりますね。

 

この海外の流れを受けて、本格的に日本に入ってきたのは2000年代に入ってからです。

2000年代に外資系企業から『ダイバーシティ』を持ち込まれてくる以前に、少子高齢化や労働力不足が深刻になってきたことを受け、『女性ももっと働ける社会にしないとヤバい!』ということで、国が『女性活躍推進』を本格的に言い出し、特に企業に対して『女性管理職を増やせ』とか『育休制度を整えろ』など色々求めるようになりました。

その後、2015年に「女性活躍推進法」ができたのをきっかけに、『女性だけじゃなくて、外国人、高齢者、障害者、LGBTQなど、いろんな人の活躍が必要!』という考え方が国レベルで広がり始めました。

特に、オリンピックで国際社会向けにも『多様性に配慮してます!』とアピールしたかった背景もある…なんて説もあります。

 

おもしろいのは、最初は企業(特に外資系)から導入され、それが次第に社会全体へ広がっていったという部分です。

つまり、『多様性を大事にしよう』っていうのは、『人権運動 → ビジネスの世界 → 社会全体』という流れで広がってきたわけです。

特に日本では、『労働力不足 → 外資の影響 → 国の後押し → 社会全体に広がった』という順番で「多様性」が広がりました。

最近では、性別・国籍・障害・性的指向・年齢など、いろんな違いを尊重しよう、っていう話につながってきており、『ダイバーシティ(D)』だけじゃなく、『エクイティ(公平さ)(E)』と『インクルージョン(包摂)』を合わせた『DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)』というように考え方も広がっていますよね。

この多様性の始まりと流れは、単に『いろんな人がいる』だけじゃなくて、『公平にチャンスを与える』『みんなが安心して居られる環境を作る』ことが求められていると私は認識しています。

 

【多様性の賛否】

と、このように流れを書くと『はぁはぁなるほどね』と納得できますが、とはいえ、この流れには賛否があるのも事実です。

簡単にまとめてみますね。

 

【賛成派の声】

❖みんな違うからこそ、いいアイデアが生まれる

☞同じ考え方の人だけだと、新しい発想が出にくい。

☞色んなバックグラウンドを持つ人が集まった方が、創造力が高まる。

❖社会正義として、当たり前

☞性別、人種、障害、年齢などで差別するのはおかしい。

❖多様性を認めるのは、現代の人権意識に沿った動きだ。

☞ビジネス的にもプラス(いろんな価値観に対応できる組織は、グローバル市場でも強くなる)。

 

【慎重派の声】

❖多様性ばかり重視すると、まとまりがなくなる

☞考え方や価値観がバラバラだと、決めごとに時間がかかる。

☞チームワークが弱くなるリスクもある。

❖本当に実力を見ているの?

☞『女性だから優遇』『マイノリティだから採用』みたいに見えると、 実力よりも属性で判断してるんじゃないか?と不満が出ることも。

❖表面的な取り組みが多い

☞実際は「やってますアピール」だけで、現場の意識が全然変わってないケースもある。

☞いわゆる「ポリコレ疲れ(ポリティカル・コレクトネスに疲れる)」ってやつ。

 

ここからわかることは、多様性をめぐる意見は、『理想(いろんな人を尊重しよう)』と『現実(どうやってうまくやる?)』の間で揺れているということです。

だからこそ、単に条例を制定したり『多様性はいいことだよね!』って言うだけじゃなく、『どうやったら本当にうまく共存できるか?』というところまで考える必要があるってことだと私は認識しており、最初に書いた本区のパートナーシップ条例は東京都のそれのように、創って終わりにならないか、慎重に進める必要があると思うわけです。

 

いやぁ、簡単にまとめて書こうと思ったのに、気が付いたら2,000字を軽く超えていました。

本当は、違いの尊重が権利の主張と反発になっている流れについて書きたかったのですが、次回にします(私自身の経験も踏まえて書きます)。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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