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12月は毎年、1年の振り返りと来年の目標を毎日行っているワタクシですが、今回から、今年1年で感じていた違和感について書きます。
今回は、違いを明確にするという同じ意味合いを持つがゆえ、ごっちゃになりやすい「区別」と「差別」についてです。
区政報告ではないため、興味のある方にご笑読いただけたら幸いです。
では、行ってみよー♪
【まずは定義から】
定義から始まるあたりが私の面倒くさい人間性を現していますが、これからの話がずれないためにも、しばしお付き合いください。
まずは、区別と差別、それぞれの意味の定義と特徴を書きます。
区別:違いや特徴を認識し、それに基づいて適切に分けること。
➤中立的で、客観的な判断や合理的な基準に基づく行為に使われる(こどもと大人の料金差、栽培方法など)。
差別:特定の基準に基づいて、故人や集団を不平等に扱うこと。
➤一般的に否定的な意味合いを持ち、他者の権利を侵害したり、不当な扱いを与える行為に使われる(人種差別、性差別、年齢差別など)。
ふむふむ。
区別が客観的な合理性や目的が明確であるという基準に沿って生じるものであるのに対し、差別は主観的な特定の基準に沿って不公正に生じるものというわけですね。
図にするとこんな感じでしょうか。
議員になってから感じることは、この区別と差別をごちゃごちゃにして(時には無意識に二枚舌を使いながら)権利を主張する方が、当事者以外に多いということです(主張されている方々は善意で主張されています)。
区別と差別には公の違いを示す定義がないため、この辺りの線引きは難しいなぁといつも感じながら対応しています。
差別に関しては人権に関わることなため困っている現状は何とか解決しようと尽力はしていますが、今一度、自分の対応が妥当であったかも含め、区別と差別について振り返りながら考えたいと思います。
【勘違いされやすい事例】
続いて、区別として意図しても差別と受け取られやすい難しい案件について書きます。
※ここでは私自身が受けた事案ではなく、一般的な事案と対策について調べたものを書きます。
1.年齢による保険料の違い
例:高齢者の医療保険料が若年層より低額に設定される場合。
区別の意図:年齢に応じた医療費の利用頻度やリスクを考え、必要な医療を受けることができるようにするため。
差別と感じられる点:若年層が経済的に不利な扱いを受けていると認識される。
対策:公平性を説明し、必要に応じた支援措置(補助金や減免制度)を提供する。
2.力仕事における業務分担
例:会社や職場で「重い荷物を運ぶのは男性の役目」とされる場合。
区別の意図:一般的に男性の方が筋力が強いとされるため、効率を考慮した分担。
差別と感じられる点:性別で決めつけられている、女性は「力が弱い」と見下されているように感じることがある。
対策:性別ではなく、個々の能力や意向を基に分担する。
3.制服やドレスコード
例:企業や学校で、女性にはスカート、男性にはスラックスを指定する規定がある場合。
区別の意図:見た目の統一感や職場の規律を維持するため。
差別と感じられる点:性別による固定概念を押し付けていると受け取られる。
対策:スラックスやスカートを性別問わず選べる選択肢を提供する。
4.企業の福利厚生での違い
例:女性には生理休暇が認められている一方で、男性には対応する特別な休暇がない。
区別の意図:女性特有の健康問題に配慮した制度。
差別と感じられる点:性別に基づく一方的な特典にみえる場合がある。
対策:性別問わず、健康や家庭事情に対応した柔軟な休暇制度を導入する。
5.障がい者雇用における能力評価
例:職場で特定の業務について、「障がい者は身体的・精神的な負担が大きい」と判断して任せない場合。
区別の意図:障がいの特性に配慮し、負担を軽減する。
差別と感じられる点:障がいを理由に業務に参加する機会を奪われていると受け取られる。
対策:障がいに応じた合理的配慮を行い、本人の意欲や可能性に基づいて判断する。
少し前までは認められなかった「差別はだめ」という認識をより進めるために、あえて5つの事例を出してみました。
こうして書くと、区別と認識している人、差別を感じている人どちらにも言い分があることがわかります。
ここで理解できるのは、「お互いの認識をただ主張するだけでなく、相手の主張(意図)も聴きながら擦り合わせること」が区別を理解し差別をなくしてくための第一歩なのではないかということです。
そして、差別を感じた時には、なぜ現状の対応が取られているのか意図を確認してからその説明が合理的であるかを考え判断する必要があると感じました。
多くは書けませんが私がこの区別と差別で揉めているなぁと感じるのは、どちらも「権利」を主張して正当性を主張する時です。
これは百害あって一利なし。
目的が「相互理解と納得」であれば、初めから攻撃的な姿勢で挑むのではなく、まずは相手の意図を理解することから始めようという姿勢を持つことは、これからも忘れないようにしたいと思いました。
【住みやすい地域を創ってくために】
様々な決まりの中には「区別」としての合理性がある一方で、決まりをつくった側の固定概念が紛れ込んでいる部分も多分にあります。
だからこそ、決まりを設ける際は丁寧な説明が必要で、反対意見があった際にはその主張を聴きながら、ブラッシュアップしていくことが大切だと感じました。
先ほども書いた通り区別と差別を混合せず、誰もが住みやすい地域を創るためには、相手を尊重した相互理解と「どうしたらもっと良くなるか」の追求心を忘れないこと。
これが大切だと感じました。
そのためにも、目の前の人に対して真摯に向き合い一つひとつの課題を解決しながら、同時に、区全体の状況を確認し、合理的に新たな事業を提案したり課題解決に向けて取り組む事が大切だと感じました。
そんなわけで、私は来年度も「三方よし」の視点を忘れず意識しながら、誰もが住みやすい地域を創るため行政に働きかけていこうと考えています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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