【ご報告】代表質問③~おひとり様支援~

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前回に続き、今回はメインで取り組んでいる『おひとり様対策』として、一人暮らし高齢者への支援体制の整備を取り上げています。

これを取り上げた背景には『現在導入している安否確認は高額で利用者も限定しているが、もっと低コストで誰でも利用できる安否確認の方法が出てきているため、再検討が必要ではないか?』ということから始まった質問です。

今回は『提案』という形を取っていますが、ここで質問をするだけではなく単身世帯の安全安心な環境整備構築の実現に向け、引き続き行政に働きかけを行っていきます。

それでは、行ってみよーーー!!!

 

【質問】

次に、大綱3点目である、高齢者のおひとり様対策に関する質問です。

国立社会保障・人口問題研究所調査の発表では、急速な高齢化と核家族化の進展で、高齢者の単身世帯が急増しているとされています。

具体的には、単身高齢者世帯は、2020年の737万8000世帯から2050年には1083万9000世帯と、65歳以上世帯の約半数である45.6%が単身世帯となることが予測されています。

当区においても、2020年の国勢調査で高齢者の単身世帯数は3万1,686、高齢夫婦の世帯数は1万8,192となっており、約5万人の方が、単身、若しくは単身リスクが高い状況となっています。

そのため、単身世帯であっても安心して生活できる環境の確保として、家族や親族へ必要以上に頼らなくても良い、単身世帯を前提とした支援の構築を、より進める必要があると感じています。

この、年々増加する単身高齢者世帯の状況を踏まえ、おひとり様であっても安心して生活が送れる環境づくりについて、当区の現状の取組みと今後の方向性を伺います。

また、今の時代は、テクノロジーを活用した様々な見守りサービスがあります。

例えば、ICTを活用したものとして、スマートフォンのアプリなどで、元気な場合にボタンを一つ押すだけで安否確認ができるというサービスがあります。

これなら、簡単に安否の確認が行えるため、高齢者でも利用するハードルが下がるかもしれません。

また、訪問での安否確認という形を取らないスタイルが、地域資源の有る無しに左右されない形で、希望する方全員が確実に安否確認を受けることができます。

このようなサービスを、今年度から開始した高齢者デジタル活用支援事業の高齢者スマートフォン教室・相談会と連動する形で事業を普及・啓発することができれば、新たな見守り事業を創設しても、効果的に活用する方は増えていくと思いますし、それは、孤立死の早期発見にもつながると感じています。

このように、今は多様な見守りの方法があり、時代に合った見守り支援を積極的に導入する姿勢が大切だと考えますが、区の見解を伺います。

そして、おひとり様高齢者の支援について、単身高齢者の終末期の準備活動サポート、いわゆる終活サポートという、高齢者の逝去後の尊厳を保持する視点も必要になってきていると感じています。

この、単身高齢者に対する終活サポートを行っている自治体は全国に様々ありますが、全国初の単身高齢者向け終活サポートに取り組んだ横須賀市へ視察に行ったため、ここで紹介させていただきます。

横須賀市では、高齢者が事前に準備した終活情報を、市役所が預かる『終活情報登録伝達事業』を行っています。これは、もしもの時に、緊急連絡先や残される親族らへの希望などを記したエンディングノートや遺言書の保管場所、墓の所在地などを生前に登録しておき、本人が亡くなったり意思疎通が難しくなったりした際に、本人が指定した人や医療機関、警察などの照会に市が応じる形になっています。

これにより、単身高齢者が生前に行った終活登録に沿って、残された者が本人の意思を最大限尊重しながら埋葬まで行うことができる仕組みは、歳を重ね、おひとり様が故に『いざという時どうしよう』という単身高齢者の不安を軽減でき、同時に、残された方々も、本人の意思を最大限尊重しながらスムーズに死後の手続きができるという、双方にとって大きな効果があることを知りました。

このような他の自治体の取組みを踏まえ、当区でも、終活サポートに関する事業を創設することを提案いたします。
具体的には、終活登録者には携帯用カードを提供する他、現在当区で行っている事業『高齢者あんしん情報キット配布事業』の中の情報記載欄に『江東区役所に終活情報を登録している』等のチェック欄を設ける仕組みです。

これにより、万が一、自宅で孤立死した場合も、警察や医療機関は速やかに本人の意思を最大限尊重した対応をすることが可能となる他、普段、疎遠になっている親族も、本人の意思に沿った対応を行うことができます。

このように、既存の事業と連携する形で終末期の準備をより効果的に活かせる仕組みを、当区で作ることができるのではないでしょうか。

そこで質問です。現在、当区で取り組んでいる終活に関する事業と、その状況について伺います。

また、おひとり様であっても本人の死後を尊重できる終活に関する情報の登録事業について、今後検討・導入する予定があるのか、区の見解を伺います。

最後に、今年1月、横須賀市に視察に行った際、担当所管の方から、このような言葉をいただきました。

『親族付き合の希薄化や単身世帯が急増する時代だからこそ、死後の尊厳を守るために、行政がある程度生前から関わる必要があります』。

高齢者の単身世帯が増える中、区民お一人おひとりの尊厳を保つため、担当者が話された『死後の尊厳を守る』という言葉は、とても印象的でした。

江東区でも、生活スタイルの変容を踏まえ、既存の仕組みを活用しながら、さらに、区民の尊厳を守るための仕組みを構築していただくことを強く願い、この質問を終わります。

 

【答弁】

次に、高齢者のおひとり様支援についてのご質問にお答えいたします。

まず、単身高齢者が安心して生活できる環境づくりについてであります。

本区では、高齢者を対象とした緊急時に警備会社へ自動的に通報できる救急通報システムの設置や、声掛け訪問、電話訪問など、様々な見守り事業を実施しているところです。

また、インフラ事業者やコンビニエンスストアなど多様な企業や機関にご協力いただき、高齢者の見守り等の協定の締結を進めております。

さらに高齢者地域見守り支援事業では、現在71の町会・自治会がサポート地域として日常的に高齢者の見守り・支え合い活動を実施しているところです。

引き続き、高齢者が安心して暮らすことができる環境づくりに向け、様々な見守り事業が広く利用されるよう周知を行うとともに、地域や民間事業者との連携強化に努めてまいります。

次に、ICTを活用した見守りについてであります。独り暮らしの高齢者が増加していく中、高齢者見守り体制のさらなる強化は課題であると認識しております。

スマホアプリに限らず、ICTを活用した見守りサービスとして、救急通報システムには、生活動線にセンサーを設置し、一定時間動きが無い場合、異常信号が警備会社に自動で送信される機能もございます。

人と人との繋がりによる見守りの強化を図るとともに、こうしたICTツールを活用した高齢者の見守り施策の強化について検討してまいります。

次に、終活に関する取組み状況についてであります。現在、福祉会館やふれあいセンターなどの高齢者施設では、遺言と相続の基礎知識やエンディングノートの書き方などの終活講座を実施しており、参加者からは、徐々に準備しなければいけないと思った、説明が明確で分かりやすかった、このような機会をまた設けて欲しいなどの声が寄せられております。

また、権利擁護センターあんしん江東では、終活の周知啓発に努めているほか、毎週火曜日に社会福祉に関する見識と実務経験を有する弁護士・司法書士による専門相談を実施しており、その中で遺言や相続、死後事務契約など終活に関する相談をお受けしております。

終活につきましては、当事者自身が望む医療や介護の利用をはじめ、葬儀やお墓の準備、財産の相続などについて、生前に家族らと話し合い、整理しておくことを目的としており、自分らしく尊厳ある人生を送る上で、非常に重要な取組であり、終活支援の在り方については、継続した検討を行ってまいります。

次に、終活に関する情報の登録事業についてです。

本区においても、もしものときに備え本人の意思をあらかじめ登録し、必要なときに必要な方に提供することは、本人の尊厳を守るとともに、家族や周囲の支援者にとっても大きな助けになるものと認識しております。

ご提案の終活登録事業等も、本人の安心につながる取組みの一つであることから、今後も他自治体の事例等を調査・研究してまいります。

 

従来は、単身世帯安否確認の手段が少なかったらこそ、価格も高いものばかりで利用するには対象者の制限を設けなければなりませんでしたが、今のご時世では、従来の10分の1以下で安否確認ができるサービスも増えてきており、今一度見直しが必要だと感じています。

ここについても、ひとりで頑張らない地域を目指して、引き続き提言をしていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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