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今回は、9月18日に行った代表質問の大綱4点のうち、『地域福祉の視点での防災』について報告いたします。
以前も書きましたが、江東区は昨年度『江東区地域防災計画』を修正しました。
いざ、災害が来た時、健康な方は適宜避難ができると思いますが、身体の自由が利かない方々の支援については、計画はあるものの具現性のある内容までは詰め切れていません。
この辺りの具体的な支援体制構築に向けて、当区はどこまで進んでいるのか、また、今後、どのように進めていこうとしているのかを質問しています。
また、報告の前に一点だけ書かせていただきますが、今回の質問は『前向きな質問』です。
今回、代表質問の一番最初にこの項目を持ってきたのは、課題はありつつも江東区の防災に対して『本気で取り組もう』という姿勢を感じたからです。
今回の答弁にあたっては介護事業所や避難施設と連携のきっかけづくりなど裏方でお手伝いさせていただきましたが、提案を聞き流すでもなく受け止め、前向きに話し合いをされていた所管課長を始め福祉部の要配慮者担当課長には、感謝の気持でいっぱいです。
そして、所管課長はもとより江東区全体をあげて防災体制強化に向けて取り組む姿勢を評価しているからこそ、期待を込めての質問です。
では、長くなりますがお読みいただけたらと思います。
【質問】
まず、地域福祉の視点での災害時の体制、特に、要配慮者への支援体制についてお聞きします。
当区では、昨年度、地域防災計画の修正が行われました。
また、防災体制の強化に伴い新たに危機管理室に『災害時要配慮者担当課長』を設置した他、関係部署でも要配慮者に対する担当課長が設置されており、いざという時に備えを強化する体制構築に向けた取り組みについて高く評価しております。
一方で、災害時に要配慮者を支援するための計画『個別避難計画』は十分に整備されていないという現状を聞いています。
また、実際の災害時に要配慮者が避難所へ行った際、必要な介護を受けるための具体的な体制づくりについても、介護事業所にヒアリングを行ったところ、十分とは言えない現状があります。
介護保険では、2021年の報酬改定で、昨年度末までに、BCP(事業継続計画)を策定することが義務化されています。
これは、『人命や建物を守る事に加えて『事業継続』も含めた事業所ごとの対策』となっており、江東区全体を見据えた計画ではありません。
東京都の首都直下地震等による被害想定をみても、当区の被害は甚大であると理解しており、だからこそ、当区の介護事業所が協力し進める要配慮者対策が必要だと認識しています。
そして、そのための仕組みを作ったり、介護事業所と地域を繋ぐのは、行政の役割だと感じています。
そこで質問ですが、大規模災害時に、介護事業所の専門性やネットワークを生かして要配慮者を守る仕組み、具体的には、個別避難計画の整備や避難所での介護体制づくりの必要性について、区の見解を伺います。
現時点で、区と介護事業所との間では、江東区介護保険運営協議会を通じてコミュニケーションが図られていますが、災害時に利用者の命や安全を守るという点において、より密な連携が重要であると考えます。
現在、要配慮者対策について、介護事業所とどのような連携を行っているのでしょうか、状況を伺います。
また、区と介護事業所が連携し、要配慮者の避難訓練を実施するなど、実効性のある具体的な取り組みも必要だと考えますが、今後の取り組みについて予定などありましたら教えてください。
ほか、マンパワーの確保と合わせて、避難所において、要配慮者を受け入れられる環境の整備も重要だと考えます。区では、今年度、新たにダンボールベッドを配備するなど、避難所環境の充実が図られていますが、備蓄の状況など今後の展開について教えてください。
災害対策については、区政世論調査でも毎年1位になるほど関心の高い分野です。だからこそ、いざという時に区民をしっかりと守ることができる体制づくりが必要であり、その実現に向けて尽力していただくことを要望し、次の質問に移ります。
【答弁】
加藤陽子議員のご質問にお答えします。
初めに、地域福祉の視点での災害時の体制についてでございます。
災害時において要配慮者を支援するためには、福祉専門職の参画も、とても大切なことと考えております。このため、地域における様々な福祉の担い手の方々とともに地域の防災力向上のため取り組んでいきたいと考えております。
まず、大規模災害時に、介護事業所の専門性やネットワークを活かして要配慮者を守る仕組みについてでございます。
お尋ねの、個別避難計画の整備や避難所での介護体制づくりの必要性についてですが、個別避難計画の整備にあたりましては、国のガイドラインでも示されているように、本人の心身の状況や生活実態を把握している福祉専門職や地域の介護事業所等による支援が重要であると考えているところです。
避難所での介護体制づくりについては、要配慮者が避難所等において長期間の避難生活を余儀なくされた場合、生活機能の低下や要介護度の重度化などが生じるおそれがあり、避難生活の早期の段階から、福祉専門職や介護事業所等の参画により、要配慮者を支援していく体制の構築が重要であると認識しております。
次に、要配慮者対策における介護事業所との連携についてでございます。
区では、令和元年の台風19号での課題を踏まえ、令和2年から、居宅介護支援事業所及び居宅サービス事業所に、水害時の避難行動要支援者への支援について協力を依頼し、発災時の連携を図る取り組みを行っております。
また、今年度より、江東区介護事業者連絡会と、要配慮者対策に関する意見交換の場を設け、災害時における介護事業所の役割や、区の必要な支援等について協議を開始しております。
引き続き、介護事業所との連携を深め、要配慮者対策を一層推進してまいります。
次に、区と介護事業所の今後の具体的な取り組みについてでございますが、まずは、区の要配慮者対策を含めた防災対策の現状について、介護事業所に認識を深めていただくことが肝要であると考えており、介護事業者連絡会において、区職員を講師とする研修会を開催いたします。
さらに、拠点避難所と介護事業所との連携の具体化に向け、11月30日に第七砂町小学校で、区及び学校職員、災害協力隊等が参加して行われる避難所開設運営訓練において、近隣の介護事業所の専門職の方々に参加していただき、要配慮者の受け入れ訓練や要配慮者用避難スペースの設置訓練をあわせて行うことを検討しております。
次に、要配慮者を受け入れる避難所環境の整備についてです。
区は、これまで、拠点避難所や自主避難施設などの一般避難所に、要配慮者用の避難スペースを確保するほか、自動ラップ式トイレの導入など、要配慮者の受け入れに係る環境整備を行ってきたところです。
また、今年度は、新たにダンボールベッドやゼリー食の備蓄を始めるとともに、紙おむつなど生活衛生用品の増強も図ることとしております。
今後につきましても、能登半島地震での被災地の状況や、避難所開設運営訓練での取り組み結果等を踏まえ、また、女性の視点も積極的に取り入れ、必要な資機材の導入を検討するなど、避難所環境の更なる充実に取り組んでまいります。
今回の答弁は区長が担ってくださいました。
地域福祉の視点での防災体制構築については、今後も引き続き推進に向けて働きかけを行っていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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