2024年上半期の活動報告➀~介護編~

ブログへの訪問をありがとうございます!

今回は9月ということで、今年度上半期の活動報告をいたします。

改めて振り返ってみると、地味な裏方作業ばかりしているなぁという感が否めませんが、ご笑覧いただけましたら幸いです。

では、行ってみよーーー!!!

 

【きっかけは実体験】

私が4年間の政策で一番に掲げていることは『おひとり様対策の充実』です。

これは、単身世帯でも安心して生活を送ることの環境改善の側面と、おひとり様が地域で他者との縁を育むことができるための仕組みづくりの両面から考えアプローチしています。

が、この半年においては、地域福祉…具体的には『高齢者介護の環境改善』にフォーカスして取り組んできました。

なぜ、高齢者介護に取り組んだかというと、『介護人材不足の実情を身をもって知ったから』です。

 

よく、ニュースなどでは『2025年問題』なんて言われていますが、これは2025年にはすべての団塊世代が75歳以上の後期高齢者となることから導き出された課題のことです。

『なぜ75歳以上になると問題なのか?』を説明するには、下記のグラフを見ていただくのが一番良いかと思います。

医療に関しては70歳以降、介護に関しては75歳から急な右肩カーブとなっていることがお判りでしょうか(いつ見てもえぐい急カーブですが、これ自体は単なる事象です)。

そして、このような状況の中、2024年時点で日本の平均年齢(中央値)は49.9歳という世界で3番目に平均寿命の高い国となっています。

※ちなみに、1位はモナコ(56.9歳)、2位はサンピエール島・ミクロン島(51.2歳)となっていますが、これを観た時、「サンピエール島・ミクロン島ってどこやねん」とツッコんでしまったのは、私だけではない…はず(アメリカ合衆国の西側にあるきれいな島です)。

このように、需要(団塊世代というボリュームゾーンが医療や介護を要するリスクが急激に挙がることによりサービスが求められる状態)に対して供給(医療や介護を提供する人)が圧倒的に少ないという、需要と供給のバランスが崩れることにより、『必要な社会保険を受けることが困難になること』が、2025年問題です。

それに伴い、あと数年以内には確実に『自治体間の介護職員争奪戦』が始まると、私は勝手に確信しています。

※東京都は千葉県より給与が良いため介護人材を流入させている現状がありますが、今後は自治体間で『仁義なき闘い⁉』が始まると予測しています。

 

そんな状況の中、ケアマネジャー事業所では退職する職員が出たため新たな人材募集を行いました。

しかし、さーーーっぱり人が来ない。

介護業界の仲間に聞くと、『数十万払っての公告を出すか、百万以上払っての人材紹介会社を利用しないと人は来ないよ』とのこと。

しかも、それだけお金を払っても良い人材が来るとは限らないという現実を知りました。

最終的に9月末で事業所を閉鎖することを決めたのですが、これはまずいぞと身をもって感じたわけです(あ、職員は全て区内で転職しましたので人財流出はしていません)。

ちなみに、ケアマネジャーの不足原因はこちらの資料こちらの資料にありますので、興味のある方はご一読くださいませ。

 

ケアマネジャーとヘルパーは、他の介護職員と違って資格がないと働くことができません。

だからこそ要介護認定を受けている方の人数をカバーできる人を担保しないといけないのですが、当区にケアマネジャーや介護職員が不足しない状況を維持するためには、『徹底した事務作業効率化』が必要であり、その取り組みを通じて『江東区は行政と現場の風通しが良い』と思ってもらえることが、何よりも大切だと感じています。

つまり、自治体間の介護職員争奪戦においては、江東区で本来の対人援助に集中できる環境と安心して働くことのできる環境をどう創るか?

ここが肝になってくると思います。

この回答は、厚生労働省が推奨している『ケアプランデータ連携システム』を地域全体で活用することと、現場が抱えている改善要求を行政が知り対応することの2つだと感じました。

※特に、ケアプランデータ連携システムは一斉に始めないと事務作業効率化の恩恵を受けることはできないため、事業所任せにするのではなく、行政と事業所が一緒になって進める必要があります。

そのため、この半年で3つの取組みを行いました。

 

➀【脱!形骸化に向けて】

江東区は、行政と現場の意見交換の機会については『介護保険運営協議会』という場で、半年に1回、話し合いの機会を持っている他、行政は定期的に介護事業所に現況調査を行うことで現場の状況を把握していると言われています。

…で、運営協議会の状況について調べてみましたが、意義ある会議体というよりは形骸化している感を抱きました(行政や介護職能団体が悪いのではなく、開催頻度や開催方法に課題があると感じています)。

そこで、行政に介護職能団体に求めている状況を確認したところ、『介護現場の総意と言われるだけの加入率』と回答を受けました。

現状の加入率は7割弱ですがそれでは不十分という言葉のやりとりから気づきました。

江東区で一番大きい社会福祉法人が入会していない影響は大きいのではないか⁉

このことを理解してからは、すぐに動きました。

まず、介護職能団体に問い合わせを行い、年会費などかかる費用と入会方法について確認を取り、その上で、社会福祉法人介護部門のリーダーに連絡を取り、現在介護職能団体に加入していない理由を確認すると同時に、『これから防災・事務作業効率化の実現に向けて行政と対等に意見交換をするために、江東区が一つにまとまらる必要があるため、介護職能団体に加入してほしい』を伝えて入会を依頼すると同時に、入会方法や費用についてお伝えしました。

すると『確かに、江東区が一丸となって高齢者介護に対応する必要は理解できるため、法人介護で介護職能団体への入会について確認を取る』とお返事をいただきました(本当にありがたいことです!)。

そして、少したってから『今年度から入会することに決まりました』と丁寧なお返事をいただきました。

回答をいただいた後は、すぐにそのことを行政に伝え、『8割以上の事業所が加入している状況になるんだから、団体の声はきちんと総意として受け取り対応してほしい』ということを要望しました。

また、介護職能団体には、ケアプランデータ連携システムの導入に向け必要性を働きかけました。

 

➁【現場の声を聴く】

2つ目の取組みは、『現場の声』を聴くことです。

私は、江東区主任ケアマネジャー協議会の運営をお手伝いしていますが、この会では、昨年度からケアマネジャーを対象に現況調査を行い、その結果を基に行政と意見交換の機会を持っています。

その調査について、今年度は『事務作業効率化』に焦点を絞り調査を行いました。

※あ、毎年調査項目のたたき台を作っているのは私ですが、今年度の調査はこちらの調査をたたき台にして作成しました(どうでも良いけど250ページもあって集約するのは大変だった!)。

さらに、事前に行政にも質問したいことはないか確認し設問に盛り込みま、同時に回答率についても『どのくらい回答率を確保できたら意見として聞いてもらえるか』も確認しました。

その上で、協議会運営メンバーで設問を整え、区内ケアマネジャーに調査を実施したのですが、ただ調査するだけでは回答率が低いため、運営メンバーで手分けして、一つひとつの事業所に電話にて回答催促をしました(私は80社以上に電話しました!)。

結果、ケアマネジャーの半数を超える数の回答が集まったため、その回答を基に一般質問を作ると同時に、行政との意見交換に臨むべく準備を始めました。

 

③【様々な議員に働きかける】

このように、介護事業所、現場のケアマネジャーと行政に対して地味な働きかけを行っていましたが、この結果は自会派はもちろん、他会派の方々にも報告していました。

区政はひとりの正論で動くほど簡単に物事は動きません。

そのことは議員になってすぐに実感したため、訴える際はひとりで正論を振りかざすのではなく、『報告と質問』として議員の方々にも問題定義をしています。

結果、江東区主任ケアマネジャー協議会は運営と自会派幹事長の意見交換の機会を持てた他、当区議会で一番大きい自民参政無初速会派の方々とも意見交換の機会を持っていただくことができました。

ご協力いただいた議員の方々、そして何より主任ケアマネジャー協議会の方々に感謝の気持でいっぱいです。

そして、さらに!!!

当区自民党執行部の方々は、意見交換の結果をもって行政にも働きかけを行ってくれています。

改めて、必要なことに対しては会派を超えて協力してくださる懐の深さに感謝の気持でいっぱいです。

※介護職能団体にもお声をかけたものの政治活動を行わないとのことで、意見交換等には参加されませんでした。

ちなみに、行政より『ケアマネジャーについて意見交換する時は、介護職能団体も一緒に来てくれると、現場の総意として回答をしやすい』との意見をいただき、これから調整する予定です☆

 

チョイチョイ書いていますが、私は区政というのは『行政と議会の両輪で進められるため、両者に働きかけを行うことが何よりも大切』だと考えています(そのために出馬しました)。

今回は、現場の声を聴こうと向き合ってくれた福祉部の職員、自民党を始め現場の声を真摯に聴き対応してくださっている議員の方々、そして高齢者介護の現場で働く職員と主任ケアマネジャー協議会の仲間たちの行動がなければ進みませんでした。

そういう意味でも、改めて『当たり前に享受している今の状況は、誰かの努力で創られた結果である』ということを実感すると同時に、今回一緒に動いてくれている仲間に感謝でいっぱいになりました。

行政も議員も現場も『江東区をもっと豊かな地域にしたい』という想いは一緒です。

だからこそ、対立するのではなく、お互いの立場から見える景色を丁寧に聞き取りながら、課題に対する解決策を模索していく(すり合わせ)。

これはとても地味で労力を要する作業ですが、これからも、高齢者介護を豊かにするために引き続き働きかけを行っていこうと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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