ブログへの訪問をありがとうございます!
今回は、8月6日に行った視察について報告いたします。
孤独孤立対策についての見守り支援体制づくりを、県の事業として取り組んでいる青森県。
自治体(市区町村)が行う取り組みは理解できますが、県全体で取り組むというのは初めて聞いたため、様々なことを学び質問すべく視察に行ってまいりました!
今回は、青森県健康医療福祉部健康医療福祉政策課企画政策グループマネージャーの池田総括主幹と小山田副参事にお話を伺いました。
お忙しい中お時間をいただき、感謝の気持でいっぱいです!
あ、余談ですが、視察を行った日はちょうどねぷた祭りの最終日だったようです。
見学したかったのですが、翌日の視察移動と準備があり断念。
初めて訪問した青森県は、自然も景色も素晴らしかったですが、何より人が素敵でした!
プライベートでまた訪問しようと心に決めました♪
【青森県は緑いっぱい】
青森県は、10の市と22の町と8の村の計40市町村があります。
青森県の人口は、令和2年10月1日現在で1,237,984人(国勢調査確定値)、全国第31位となっています。
また、青森県の面積は令和2年10月1日現在で9,645.64km2、全国第8位となっています。
人口密度は128.3/㎢となっており、ゆったりとした環境が確保されている地域です。
そんな青森県が現在抱えている課題としては、
・高齢化に伴い単身世帯の割合が増加
➤最高齢化率の地域は57%。
・人口減少と高齢化率の増加に伴う地域コミュニティの縮小やインフラ弱体化による利便性低下
➤毎年2万人程度が減少している。
➤PTAや町会自治会も加入率低下している現状がある。
だということで、行政だけでのカバーは無理だからこそ、住民を巻き込みながら進めていく必要があると説明を受けました。
その状況の中で今回は、県を挙げての取組である孤独孤立対策について学びました。
【孤独孤立対策の取り組みについて】
青森県で取り組んでいる孤独・孤立対策の取り組みは、令和4年度から始まっています。
令和5年2月10日は意識情勢のため孤独・孤立対策の勉強会を開催し44名が参加、同年3月17日にはプラットフォーム準備として検討会を開催し9名の参加がありました。
これと同時期に、団体向けアンケート調査、自殺対策に関する近県調査、映像による情報発信、プラットフォーム設置の考え方の整理を行いました。
ここで「志を同じにする者が集まれるプラットフォームを創る」ということを決め、今後の取組として『プラットフォーム立ち上げにより関係機関の円滑な連携につなげる』という方向性を決めたと話を受けました。
それに従い、今後の取組として
1.プラットフォームの参加対象(広く対象とする)
2.プラットフォームの設置目的の明確化と設置形態の位置づけ(分野を超えた関係機関の連携強化、人材確保と育成、交流会をプラットフォームとして設置)
3.交流会の内容を詰める(外部講師による講義で参加者の資質向上と人材確保)
等を行うと話を受けました。
この説明を聞く中で意外だったのが、青森県は全国と比較しても自殺率が高いこと、高齢化率が57%の地域もあったりと孤独・孤立の進みに関しては全国と同様の傾向があり、だからこそ、課題はより深刻化しているということです。
孤独や孤立自体が課題ではない。
そのことを十分に理解されており、だからこそ、行政がプラットフォームを設置してシャンシャンの形を取るのではなく、青森県の強みを最大限活かした対策を検討し進めていることがよくわかりました。
また、総括主幹の池田氏が何度も繰り返し話していたのが、『行政がやると押し付けになってしまう。だからこそ、県民とは適度な距離で(県民の)主体性を引き出したい』ということでした。
真剣に青森県を知り地域を考えているからこそ、住民を信じられるし委ねることができる。
その行政の姿勢を素晴らしいと思いました。
【地域ぐるみで取り組む事業】
上記を踏まえ、青森県の目指す姿とは『地域の支え合い体制充実や、医療・福祉分野の多職種連携推進による、地域ぐるみで支え合い、助け合うことができる社会の実現』であり、これを実現するための取組として掲げているのが
1.市町村住民支援強化事業
➤ゼロSC配置事業(6圏域に第0層生活支援コーディネーター)の配置と育成
➤地域アセスメント手法強化事業
2.住民活動(見守りさん)支援事業
➤見守りさん講習会
➤地域支援ワークショップ
3.多職種による持続可能なネットワーク強化事業
➤多職種情報交換会
4.孤独孤立対策推進事業
の4つです。
この4つ(孤独・孤立対策は先ほど説明した為3つ)の取組については次回報告しますが、全体の話を通じて感じたことは、『行政は仕組み(事業)を考えるところまでは緻密に行うけれど、実際の行動は住民を信じて委ねることができる地域なんだな』ということです。
外部委託事業も、お任せにして放置するのではなく、いずれ自分達でも担えるよう県の職員自身が主体的に参加しており、説明を聴きながら職員自身が課題を自分事化して取り組んでいる様子がよくわかりました。
また、(毎回感じることですが)、主要事業を立ち上げ実施する際に一番必要なのは先導者であり、どの自治体の事業も計画段階から参画している方は熱意があるということです。
お忙しい中説明をしてくださった池田総括主幹の熱意と小山田副参事の冷静ながら秘めた熱意に接しながら、行政の役割で一番重要なのは、事業に対する想いと描く姿をいかに住民に説明できる力(熱量)なのかなと思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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