孤独・孤立対策の講演会から考える

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今回は、昨夜開催された『孤独・孤立を考える』という講演会から、孤独・孤立対策について考えたいと思います。

(前半は批判的な内容が多いですが)単に批判をしたいのではなく『これらを踏まえて江東区ではどのように孤独・孤立対策を進めていくか』を考えるきっかけになったことは感謝しており、このどうしようもない茶番が早く終わって、来年度以降、区民の皆さまにとって効果的な事業を創設できるよう、考えていきたいと思います。

 

全体の感想は『なんだかなぁ…』

江東区は、内閣官房より『地方版孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム推進事業』として選定され、今年度は事業を進めています。

このモデル事業は、ほぼほぼ国の委託先の方々がイニシアチブを握っており、今回の講演会も彼らが企画運営しています。

講演会を拝聴した感想としては、色々な意味で『なんだかなぁ…』という感じでした。

本当に、色々な意味で残念な講演会でした。

そんなわけで、まずは、講演会の内容を検証していきます。

 

官僚の官僚による官僚のためのモデル事業⁉

このような形で開催された講演会。

官僚主導で企画・運営するとのことで、今回の法成立の背景や国の進めたい方向性を聴けるかもしれないと期待して参加したのですが、資料や音響を始めセットなど外見だけが大掛かりであり、なんとも『あぁ…講演会を開催したという実績だけが欲しいのね』というものでした。

そして、講師のお二方は、孤独・孤立対策のメンバーに入っているという方々。

率直な感想を言うと、『社会福祉協議会のPR会場に来たのかと思った』という感じでした。

 

大学の先生は話の合間にご自身の書籍の宣伝をしておられました(そのイメージしかない)。

有識者として孤独・孤立に携わっておられるのであれば、もっと法ができる社会的背景や国が目指しているビジョンなどお話しいただけるかと期待したのですが、そういった話は1ミクロンも出てきませんでした。

話全体がフワッとしていて、全然頭に入ってこないのです。

全国社協部長は具体的な取り組み事例紹介をされていましたが、事例に至るまでの経過(どのような手順を踏んで地域で支え合い活動が確立していったのかなど)は全く話に出ることはなく、“地域の支え合いを育む際に個人情報の取り扱いはどうするの?”など、具体的な話は全く出ませんでした。

もちろん、支え合いという互助の関係性の中で個人情報はどのようにしているなど、具体的な話は出ませんでした。

委員は講演することで利益と実績を享受でき、官僚(と下請け企業)はモデル事業を展開したという実績のために開催されていることがよくわかる、なんとも残念な講演会でした。

今回の講演会を一言で言うならば、『モデル事業とは、内閣官房のための事業なんだな』ということを実感した次第です。

江東区担当所管の長寿応援課の職員の方々と副支部長には、大切な時間を奪ってしまい本当に申し訳なく思います。

そして、議会会派の方々にも案内を周知しましたが、ご参加いただいた方々ががっかりしていなければ良いなぁと感じました。

 

有効な内容もありました

とはいえ、有効な内容もありました。

『孤独・孤立の実態把握に関する全国調査』に関連した内容は学びになったので報告します。

読めばわかる内容とは言え、なかなか資料を読む機会がない現状としては、改めて上記資料に目を通すキッカケをいただけたことは感謝感謝です。

ちなみに講演ではフワッとした表現しかされていなかったため、自分で調べた内閣官房上記リンクの資料から添付します。

講演の内容をまとめました(分析結果を抜粋して講師が話した内容です)。

◆様々な世代の中で、30代が一番孤独感が強い。

◆男性は50代、女性は30代で孤独感を抱く割合が高い。

◆未婚(離別)の人ほど孤独感を抱きやすい。

◆心身の権丈状態のよくない人、就労についていない人ほど孤独感を抱きやすい。

◆愚痴を聴いてくれる人がいないのは、高齢者と男性に多い。

他は、『2040年には東京都の世帯51%が単独世帯になる』というデータや、世界の孤独・孤立と健康に関する研究結果を用いながら、“『助けて』を言える社会の雰囲気をつくることが大切”と話していました(終始、こんな感じでフワッとした話でした)。

“うん、わかるがそれは手段であって国が描いているビジョンは何なのだ⁉その実現のために地方自治に期待していることは何なのだ⁉”と感じたのは…私だけではないはずです。

 

今後に期待すること

今年度、内閣官房のモデル事業に応募を提案した身としては、モデル事業自体には期待しておらず、モデル事業を通じて、来年度以降について『孤独・孤立対策』を縦割りを取っ払ないながら横断的に取り組むためのキッカケづくりを期待していたわけですが、こちらは期待しています。

今月から来年度予算などに関する議会が始まりますが、私はこのモデル事業の評価とこれからの江東区の孤独孤立対策に関連する方向性を質問しようと思っています。

何度も書いてしまいますが、区民の皆さまも、行政職員も、区議会議員も、『江東区をもっと豊かな地域にしたい』という目指すゴールは同じです。

だからこそ、対話や意見交換を行いながら、孤独・孤立対策の仕組みについて提案していきたいと改めて思いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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