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今回は前回の続きになります。
『誰でも登録できます』の事業が良い
横須賀市の視察で、北見さんにご説明いただいた事業の2つ目は、『わたしの終活支援』という事業です。
リンクだけではわかりにくいと思うので、下記に記しますね。
目的:”終活関連情報”を生前にご登録いただき、万一の時、病院・消防・警察・福祉事務所や本人が指定した方に開示して、本人の意思の実現を支援する。
申請方法:電話申請、電子申請、郵送申請から選べる。
登録できる内容(自由選択):本人の氏名、本籍、住所、生年月日、緊急連絡先、支援事業所や終活サークルなどの地域コミュニティー、かかりつけ医師やアレルギー等、血液型、リビングウィルの保管場所・預け先、エンディングノートの保管場所・預け先、臓器提供意思、葬儀や遺品整理の生前契約先、遺言書の保管場所と、その場所を開示する対象者の指定、お墓の所在地、本人の自由登録事項(どの項目を記載するかは本人が選択できる)。
図で記すとこんな感じです。
この事業の素晴らしいところは、『誰でも登録できる』ということと、『予算がかからない』という点です。
特に予算に関しては、当初予算は30,000円でスタートしており、今も当初と大差ない予算で運営していると話を受けました(横須賀市の当時の人口は40万人強)。
何でもこの予算は鍵付き保管庫(書庫)の費用が大半で、後は登録証明のカードを作パウチ代くらいだとのことです。
また、『実現するために一番必要なことは何ですか?』という質問には、『やるぞ!という覚悟です。覚悟さえあれば、私はどの所管が担っても良いと思っています』と回答をいただきました。
北見さん曰く、この事業は登録に際して電話が鳴りっぱなしということはなく、年間数十件の受け入れ態勢ができていれば十分対応できるとのことです(登録したものを保管するだけ。問い合わせが来たら登録内容を読むだけ)。
なんてサラッと仰っていましたが、新たに事業を導入するということに対して行政のハードルの高さは理解しつつも、(話を聴く限りでは)小さく始めることができ、これからも増え続けるおひとり様の大きな安心感に繋がるため、当区でもぜひ提案したい事業だと思いました。
江東区で導入するとしたら(妄想)
この事業は開始のハードルが低いこと、予算に対して区民の皆さまの安心感を抱くことができるであろう期待できること(コスパが良い)という観点から、早速、当区の所管に『提案と相談』をしました。
その際に提案したのは③までですが、行政の縦割りがなければ④以下も実現してほしいと思い、ここに記させていただきます。
①江東区で現在長寿応援課が担っている『あんしん情報キット』の配布を、ひとり暮らしの希望する全世帯に拡充する(ひとり暮らしの健康リスクデータを掲示の上提案)。
②その際に、安心情報キットの記載項目一番下に『私は江東区に終活情報を登録しています』というチェック項目を入れる。
③消防署、警察、医療機関等に登録制度の説明を行い、あんしん情報キット②にチェックがついている方については、行政に問い合わせをしてもらうよう周知する。
④本事業の普及については、仕事を退職した方々が社会保険切替で登庁される際に、社会保険切替の手続き時に直接案内チラシを本人に手渡すなど、対象となる方に必ず手渡しできる体制を検討する。
⑤できれば、賃貸物件を扱う不動産業に当事業の普及協力をしてもらい、いざという時の大家さん負担を軽減すると同時に、高齢者等への物件貸し渋り緩和を図る。
⑥さらに、区内司法書士等の団体と連携し、必要に応じて案内できる仕組みをつくる。
つまり、江東区に於いては、既存事業の『あんしん情報キット』と『終活登録事業』が協力すれば、希望する方はもれなく本人の意思を最大限尊重した形で終末期の対応が期待できるわけです。
同時に、終活準備をする中で、希望する方には葬儀準備もできるよう区が一覧を渡したりすれば、いざという時の備えができ、ひとり暮らしの方でも安心して生活できるうえ、賃貸物件を扱う業者さんや大家さんにとっても安心材料になると思うのですよね。
肝心の予算はどうでしょう?
・・・とまぁ、私の妄想はどこまでも膨らむのですが、横須賀市の予算30,000円は登録情報保管庫だけだったため、改めて概算を出してみました(あんしん情報キットが高くつくため予算再考は必要かと考え算出)。
本当にざっくりのザル勘定ですが、ポイントは『チラシなど普及活動は役所内コピーで十分。お金をかけないこと』です。
【あんしん情報キットと終活登録の事業について】
◆あんしん情報キット製作費:1個438円×10,000個(438万円)
◆終活登録カードラミネート代:本体(3,000円)+カード10,000枚代(100枚296円×100セット)(326,000円)
◆既存の配布者に対しての改めての案内郵送費:84円×10,000人(840,000円)
◆カード配布の郵送費:84円×1,000人(84,000円)
◆登録情報保管庫:30,000円
◆チラシ代:無料(こんなことにお金はかけないで白黒印刷のみ!)
合計:5,660,000円
思ったよりも予算がかかってしまいました(汗)。
なお今回の概算算出ですが、長寿応援課に確認を取り、平成26年から開始して既に12,000人強に配布したとの数字を根拠に作成してみました(既存配布者に新しい筒の中の紙配布には逝去された方も勘案し、ざっくり10,000人としました)。
・・・で恐らく行政としては、『いやいや、始めると言ってもチラシ作成のデザイン料やなんやかんやで多額の予算が必要よ』と考える方もおられると思いますが、私は、それこそ『もったいない』と思うのです。
広報にお金をかけることの重要さは理解していますが、今一番大切なことは『区民の方々が安心して生活できる環境をつくること』であり、チラシのデザインンなどに予算をかけて事業開始のハードルを上げるのではなく、『まずは確実に始められる提案をする』ことが何よりも大切だと思っています。
横須賀市の案内チラシはこんな感じです。
まぁまぁ手作り感満載な様子が伝わるでしょうか?
ちなみに、なぜかですが、昨年度の安心情報キットに関する事業は、事務費だけで確か900万円以上かかっていたため、私の概算では足りない部分がありそうです。
また、長寿応援課は10,000個単位でキットを発注していますが、数年間に1度の発注とのことで、毎年この予算がかかるわけではない他、初年度は『筒の中の情報入れ替えのための郵送費』が大きく予算を占めているため、翌年以降は、やり方次第で300万円以下…うまくいけば翌年以降は50万円以内で十分対応できると思っています。
こんな形で、私の妄想はどこまでも広がっており、誰かこの暴走を止める方が現れないか期待しています(他力本願)ので、どなたさまも気軽にお声掛けくださいませ。
今年から一人会派になり、談話スペースだけは無駄に(⁉)広くなりましたので、熱く語り合いましょう♪
最後までお読みいただきありがとうございました。
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