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今回は、以前書いた『重要性の高い課題について』に付随する内容を書こうと思います。
就職氷河期の厳しい状況を可視化しながら、現状とこれから起こるであろう課題をすり合わせ、逆算方式で今何にどう取り組んでいく事が良いかを妄想した内容ですので、かなりマニアックになるかもしれません。
今回は、お時間のある方にお付き合いいただけたらと思います。
就職氷河期世代の現実
世代で括ると良く受けるものとして『私はそんなことはない』という言葉がありますが、今から書く内容は調査結果なため、ひとつの情報として理解していただけたらと思います。
※ここでの就職氷河期世代とは、前期を1974~78年生、後期を1979~83年としています。
まず、就職氷河期世代の就労状況と賃金についてです。
2019年に就職氷河期世代の就労支援開始後は非正規雇用の割合が減り、安定した就労状況に改善しているものの、それでもその上の世代に比べると、給与は月額6~8万円低い状況であることがお分かりいただけると思います。
続いて、現在の就職氷河期とその上の世代の独身者貯蓄額の平均値と中央値です。
ここでみるポイントは、中央値です。
人口のボリュームゾーンとしてみる時は中央値が参考になりますが、その数字は40代、50代ともに貯蓄額は53万円となっています。
最後に、先日書いた日本総研の記事ですが、ひとり暮らしの60.4%、111万3000世帯が『持ち家がなく今後も持つつもりがない』という状況です。
つまり、データによると就職氷河期世代は、平均所得が他世代と比べて低く、持ち家等なく貯蓄も非常に厳しい状況にあるということであり、一言で言うと『仕事を失うと一気に生活困窮者に陥るリスクが非常に高い世代』ということです。
今は、元気でバリバリと働ける年齢なためリスク該当者は少ないと思いますが、これから親の介護を要する可能性が高まる世代である就職氷河期は、自分が元気でも就労が困難になる可能性があります。
また、高齢者になったとき、賃貸契約が困難になったり(住まいの課題)、老化とともに働くことが困難になるリスクは高い状況です(生活費確保)。
同時に現状わかっていることは、『少子高齢化の日本では、就職氷河期世代が高齢者になったとき支える社会保障に頼ることは極めて難しい』ということ。
だからこそ、今から先を見据えて、就職氷河期世代が高齢者になった時に自分の力で生活できる環境づくりが重要だと考えており、それこそ行政にしか担えない役割だと感じています。
じゃあどうする?
高齢者介護の分野では、平成28年に厚生労働省が下記のイラストを出しました。
これからの高齢者の生活において、一番大切なことは『本人・家族の心構え』ということ。
これは、高齢者の生活を知ってもらい、自分の将来を考えてもらいながら様々な可能性に対して『どうする』の意思決定をしていく作業になります。
よく『エンディングノート』などがありますが、そういうものを参考にしながら考えるのも良いかもしれません。
そして、次に大切と言われている『すまいとすまい方』ですが、これは、行政の出番だと感じています。
言い換えれば、『高齢者になっても賃貸契約できる環境づくりは行政にしかできない』のです。
続いて、『すまいとすまい方』についてです。
大家さんが高齢者に貸し渋る理由の大きな一つに『孤独死』があります。
貸している物件で孤独死した場合、そして本人に預貯金等が十分ない場合、保険をかけていても大家さんが自己負担するリスクは小さくなく、また、物件の原状復帰にも時間がかかるためすぐに他の人に貸すことができないため、本来なら入るはずの家賃収入がなくなる、お骨などについても引き取ってくれる親族に連絡すること等含めて大家さんや不動産業の負担になる可能性はとても大きいなど、大家さんにとって高齢者への部屋貸しはリスクが高いのです(現状、江東区は生活保護対象者以外の自宅孤独死については関与していない)。
読んでいて気落ちするような内容となりましたが、課題が明確だからこそ大家さんが抱えているリスクを緩和する仕組みを行政がつくることができれば、高齢者も安心して住まいの確保が行えるということです。
大家さんの課題に対する回答は『孤独死した際の早期発見の仕組みづくりと生前準備の徹底』です。
ついでに、高齢者になると様々な人の手を借りるリスクの高まる状況を考えると、地域と緩くつながる必要もあるわけで。
それらを踏まえて、高齢者の住まいに関する私の中のイメージはこんな感じです。
名付けて『一粒で何度もおいしい大作戦♪』です。
この仕組みをどうにか作れないか調べる中で、ひとつの可能性を見つけました。
それが、横須賀市で取り組んでいる生前準備に対するサポート事業、『エンディングプラン・サポート事業』と『就活情報登録伝達事業』です。
これは、来週15日に議会の会派を超えて7名で視察に行く機会を立てています(調整してくださった事務局の方には感謝しかありません!)。
視察後はここに報告をさせていただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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