横展開してほしい事業②(後編)

ブログへの訪問をありがとうございます!

今回は、前置きなしで前回の続きを記載します。

 

今ある事業と組み合わせる

改めてになりますが、江東区の強みは『リスクマネジメントがうまい』ということと、『各所管は決められたことを忠実に遂行する力がある』ということだと私は理解しています。

時には慎重になりすぎてスタートが他区より遅れを取ってしまったり、ルール重視で融通が利かなかったりすることもありますが、区民への調査を行いながら丁寧に段階を踏みながら事業計画や予算立てをしており、大きな失敗はしない堅実な行政運営をしています(これは素晴らしいことです)。

一方で、もったいないなと感じる部分は、一度決まった事業は区民調査を上手に使ってきれいにまとめてしまい、形骸化した事業も継続してしまう部分だと感じています。

これは、区民調査に重きを置きすぎる結果、『調査回答には表現しきれない生の声』を聴いていないからだと私は理解しており、だからこそ、区民の代表である区議会議員が現場の声を伝えつつ、行政が持ちにくい『柔軟な視点』で事業提案をすることが重要だと感じています(脅して無理やり事業化するとかではなく発想の提案です)。

また、新しいことを始めることには慎重になる当区に対しては、アレコレ新事業を提案するよりも、できるだけ既存の事業を横展開して、最大効率化できる提案を心がけています。

今回は新事業の提案もあるため、具体的にサービスを提供しているNPO法人エンリッチの紺野さんにお願いして、具体的新事業と既存事業の横展開を行政に提案してみました。

※誤解のないよう書かせていただくと、私とエンリッチの紺野さんは江東区の地域活動団体の会合で知り合い、利害関係等は一切ありません。

 

取組の経過

まず最初に私が行ったことは、他会派ですが統計学を学んだ経験を持ち、かつ、ITに強い方に人口推移や江東区に関するデータを見てもらった上で、孤独死対策について『相談』しました。

この方は、議員経験の浅い私が分からないことがあった時に質問すると、いつも的確に過去の経過を説明してくださるという、会派を超えて『江東区を良くしよう』と考えて行動してくださる、とても信頼している方です。

また、現在、孤独死を扱っている保護課課長、住まいサポートを担当している住宅課課長、孤独孤立対策のモデル事業を担当している長寿応援課課長、町会自治会など地域コミュニティを担当している地域振興課課長に、それぞれ孤独死対策と地域コミュニティの再構築という視点で『相談』をしました。

 

その上で、地域振興課の課長にNPO法人エンリッチの安心通信サービスの情報提供を行い、現在長寿応援課が担っている『高齢者見守り支援事業』や『電話訪問事業』をすべての世代のおひとり様に横展開することととあわせ、ぜひ、一度話を聴いてほしいと提案したことろ、長寿応援課の課長と一緒に話を聴きたいと回答を受けました(しつこいですが、決してエンリッチさんを推すのではなく仕組みの話をしました)。

その後、長寿応援課課長に連絡をし、説明会参加の依頼を行い承諾を受けました(こちらの課長は、元々助け合い活動連絡会でエンリッチさんを知っていました)。

同時に、孤独死対策の相談をしていた議員さんに、(他会派で関わらず)図々しく『できれば説明の際同席して、IT知識を活かしたご意見が欲しい』とお願いしたところ、承諾をいただくことができました。

これ、本当にありがたいことで、懐の深さに感謝しかありません。

最後に、上記をエンリッチの紺野さんに報告した上で全員の日程調整を行い、22日に行うことが決まりました。

 

いざ!説明会!!!

そんなこんなで企画した説明会ですが、NPO法人エンリッチ紺野さんの(営利ではなく孤独死を一人でも減らしたいという)想いや、現在導入している自治体で分かった課題など、サービスについての説明だけでなく、現状の課題まで話を聴くことができました。

その上で、当区の議員さんと課長もさすがです。

事前にしっかりと資料を読み込み、簡単な説明を聴いただけで即座に仕組みを理解し、広報から始まりセキュリティについてや管理者と呼ばれる緊急時対応者の責任や仕組みの浸透方法など、考え付く限りのリスクや課題を質問し、実走するにはどんなハードルがあるかやそれをクリアするにはどうしたら良いかを検討しながら話を聴いてくれました(特に、一緒に話を聴いてもらった議員さんの質問のタイミングと内容が勉強になりました)。

一言で言うと、全員が『自分事化しながら話を聴いてくれた』のです。

もう、こういう時間こそ区民の皆さんに見ていただきたいと思った時間でした。

 

後は、行政の各所管の課長同士の話し合いで、今回の事業提案と横展開については委ねることとなりますが、実感したことは、江東区の行政は決して孤独孤立対策に対して後ろ向きなわけではなく、むしろ、必要とあれば、担当所管を超えて連携を図ることを厭わないのだということです。

全員がそうとは言い切れませんが、今回参加してくださった両課長には、年末の忙しい時期に対応してくださったことに感謝の気持でいっぱいです。

そしてなにより、先日まで議会があり、来週も委員会が続くという本当にお忙しい中今回の説明会に参加いただいた(しかも他会派!)議員さんには、感謝しかありません。

本当にありがとうございました。

エンリッチの紺野さんには、登庁と説明いただいたことにお礼を伝え、今後も情報交換しながら安心安全なまちづくりに尽力しましょうと話をしました。

 

こんな感じで、考えたことは何度もシュミレーションし、誰に相談すれば一番具現化できる可能性が高いかを考え、笑顔で裏方に徹するワタクシでした(障がい児の給食費無償化も含む、基本的には裏方しかしません)。

諭吉には恵まれない私ですが、ありがたいことに人には恵まれているなぁと実感し、この強みを最大限活かして、これからも江東区がもっと豊かになるように尽力したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうござました。

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