ブログへの訪問をありがとうございます!
今回は、江東区の『おひとり様高齢者』の状況について書きます(終末期を含む話になります)。
皆さまも、データを見ながら今後の江東区について考えていただけたら幸いです。
江東区の高齢者状況
江東区は、昨年65歳以上75歳未満の前期高齢者数が75歳以上の後期高齢者数を上回りました。
皆さんは、『2025年問題』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
団塊の世代が全員75歳を迎える時が2025年なのですが、75歳以上という年齢は、介護が必要になるリスクが急増するとは言われています。
つまり、『2025年以降は介護を必要とする人が急激に増えるが、人口は減少しているため、介護人材や財源の不足など課題がたくさんあることが問題』なわけです。
図にするとこんな感じです。
これは江東区の状況ですが、75歳を超えると認定率は急激に上昇し、85歳~89歳では49.8%とこの年代の半数近くの方が認定を受けている状況を理解していただけるでしょうか?
ちなみに、日本の人口推移ですが、こんな感じで減少していきます。
生産年齢人口が減少しているのに、介護を必要とする高齢者が増加しているため、介護保険制度では、今後、中重度の介護を要する人以外は、自治体の『事業』として扱うように変更し、徐々に『区市町村で何とかしてね』というスタイルに切り替えようとしています。
江東区は比較的元気高齢者が多い自治体ですが、その分母数(そもそもの人口)が多いため、これからの高齢者介護は従来のように『困ったら制度や行政に頼れば良い』という考えでは済まなくなることが予測されます。
なぜなら、行政は『システム』として対応するため、個々の困りごとに対応することはしないからです(今は少し困ったときに長寿サポートセンターなど受け皿がありますが、その数は増えないため、高齢者が増えれば増えるだけ、一人ひとりにきめ細やかな対応は困難になり、介護保険制度はいわゆる『ちょっとした困りごと』に対応することは難しくなっていきます)。
高齢者のおひとり様の悩ましさは2つ
では、どうしたら良いのか?
現状では、個々がそれぞれ困りごとが生じた際に頼れる人を見つけるしかない…という状況にならざるを得ません。
配偶者や家族がいる場合は、困ったら頼ることができるかもしれませんが、おひとり様は困りごとが生じた際、誰を頼れば良いのでしょうか?
高齢者を取り巻く減少や今後の動向を見る限り、私はおひとり様高齢者は大きく2つの仕組みが必要になると予測しています。
1.身体が不自由になった時、ちょっとした困りごとを解決してくれる仕組み
2.おひとり様の終末期に早期発見する仕組み
行政ができることは『環境整備』であり、これからの時代は地域の住民や企業などとつながりながら『おひとり様でも困ることなく生活できるための環境整備が必要』と考えています。
以下、この2つについて、理由を書きます。
1.住民同士の助け合いの仕組みが必要な理由
現在の高齢者の世帯構成は、このような推移になっています。
年々、おひとり様が増えている状況が分かるでしょうか?
ちなみに、計画では、今後の高齢者世帯は、このように変化すると予測されています。
これらから、おひとり様高齢者が増えることは避けられない状況であり、行政に頼ることができなく介護人材も不足していく以上、住民同士で助け合いの仕組みをつくることが必須になると私は考えています。
※これからの人口減少の時代、特に介護業界では需要と供給のバランスが崩れているため、多少のお金でサービスを買うことは困難になってくると私は予測しています。
2.おひとり様の終末期について
また、江東区でおひとり様が自宅で逝去した場合はこのような状況になっています。
バラツキはあるものの、年々右肩上がりに自室で逝去している単身者の割合が増えていることがわかるでしょうか?
さらに、自宅で逝去された方が発見されるまでに要する日数については、このような状況になっています。
おひとり様が増えることは事象であり、その是非を議論するつもりはありません。
しかし、おひとり様が増えることが分かっているのであれば、今からリスクと対策を考え取り組むことが、なにより大切ではないかと私は思うのです。
日本の人口推移を先ほど載せましたが、これからは『多死化』がますます進んでいきます。
この状況は、緊急度ではないけれど重要度の高い課題です。
この課題について、私は解決方法の一つに「既存の江東区の事業を集約し、より効率的に運営する」スタイルを考えています。
また、この『おひとり様』は高齢者だけの課題ではないため、横展開(行政担当所管の横断的な連携)をすることで、すべての年代がおひとり様による悩ましさを感じた時に、窓口をたらい回しにされることなく過ごすことができると考えています。
皆さんは、これからの高齢者支援についてどのように考えますか?
次回は、『孤独が生む弊害』について書きます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。