明石市の視察について

ブログへの訪問をありがとうございます。

今回は、明石市視察の報告をさせていただきます。

 

【明石市ってこんなところ】

明石市と言えば、泉前市長のイメージが強い方も多いと思いますが、人口305,498人の瀬戸内海に面した風光明媚な地域と言われています。

また、行政の取組による明石市の影響としてはこんな感じです。

【住みやすいまち・市民サービス向上を目指した結果生まれた好循環】

◆人口増加率中核市:第1位

➤人口が9年連続増加(過去最多を更新中)

➤人口増加に伴う税収増により、市民サービスの向上へ

◆地価7年連続上昇で賑わいのあるまちづくり

◆全国戻りたい街ランキング2021年:第1位

本気で行政が市民目線でサービス向上に向けて取り組んだ結果、このような循環を生み出すことができたのだと、今回の視察を実施し感じました。

今回の視察目的は、江東区で『こどもまんなか』を実現するため、こどもへの支援を先駆的に取り組んでいる明石市から学ぶ、です。

特に、夫婦の離婚を社会課題と捉え、こどもの利益を最大限守るという視点で取り組んでいる『こども養育支援事業』について学んだのですが、同時に、私の中では『行政の様々な施策に対する取組姿勢』を学びたいと思っていました(事業だけを学ぶなら現地に行かなくてもいいじゃんという考えなので)。

そんなわけで、30日は午前中に江東区でフードバンクの取組に参加し、午後から明石市に向かいました。

 

【明石市が行うこども養育支援事業について】

明石市の上記取り組みについてのご報告はこちら↓になります(青字をクリックしてください)。

【2023.7.31】明石市こども養育支援ネットワーク視察

家庭内における虐待が顕在化してきた今、むしろ行政が家庭に積極的に関与すべき時代が到来したとのことで、2011年から「こどもを核としたまちづくり」に取り組んだ明石市が、2014年より全国に先駆けて、離婚をテーマに行政として初めて取り組みを開始しました。

そのきっかけとなったのが、泉前市長の『明石市では、すべてのこどもに愛情と栄養を届けるため、面会交流支援と養育費支援に段階的に取り組んでいく』という言葉です。

今回、2時間以上にわたる丁寧な説明で一番強く感じたのは、このような前区長や行政職員の『覚悟』でした。

 

離婚をテーマとした取り組みについての説明ですが、こども養育支援は大きく分けて『面会交流』と『養育費サポート』です。

図にすると、こんな感じになります。

なぜ、このような事業を実施するようになったのか。

それは、離婚率が高まる中、親の離婚によりこどもの成長に支障が出ないようこどもの利益を最大限に考えたからだと話しておられたことが印象的でした。

親の離婚によって支障が出る恐れのある者2つが、『栄養(養育費)と愛情(面会交流)』。

だからこそ、この部分は行政が介入して支援していこうという考え方です。

同時に、行政として弁護士を5名増員して取り組んでいるところにも、本気度を感じました。

 

とはいえ、初めからスムーズに行っていたわけではなく、試行錯誤しながらの取組であることは、説明を聴いてよく理解できました。

特に、養育費立替えについては仕組みを3回ほど見直していることからも、手探りで何がこどもにとって利益最大減となる支援かを常に考えながら取り組んでいることが、よくわかりました。

『常にトライアンドエラーです』と言いながら、事業最初から関わっておられた政策局市民相談室の室長が話をされていたのですが、その眼には強い力があり、『行政として、何が何でもこどもの利益は守る覚悟』を強く感じました。

 

【こども養育支援事業の実績】

最後に、各事業の実績について教えていただいたので、ご報告いたします(平成26年4月~令和5年6月末)。

◆こども養育専門相談:年15~28件(概ね25件前後)

◆面会交流支援:年々増加傾向にある。多い支援方法は受渡し。

◆養育費確保支援:開始時の官民協働から現在の支援体制全てにおいて形は変わっているが、年々増加傾向にある。

※各支援開始年度は異なります。

ざっくりとした報告しかできませんが、これらから、各支援年数が経つにつれ利用増加されている状況でした。

その原因が、支援認知度に関係しているのか、それとも、離婚の際のプロセスが複雑化しているのかはわかりませんでしたが、予算は余裕をもって確保する必要性を感じました。

 

【江東区ではなにができる?】

上記を踏まえて、帰路ではこの学びをどう江東区に活かすかを考えていました。

そして、まずは、関係機関へのヒアリングなどを通じて、江東区のひとり親世帯の現状を把握すること、同時に、現に一人親の方々の『あったらよいのにこんな支援』を聴くことから始めようと思いました。

そして、江東区は住んでいる一人ひとりの方々、行政一人ひとりの方々、共にポテンシャルが高いため、事業の方向性が定まったら、官民連携の『オール江東』で取り組むことが大切なのではないかと感じると同時に、本気で取り組むことで『こどもまんなか江東区』は実現できるのではないかと感じています。

『もっとよくなる江東区』

この具現化に向けて、出来ることに尽力しながらこれからも取り組んでまいります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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