『社会で子どもを育む』という視点③

ブログへの訪問をありがとうございます!

前回は、社会的養護について書かせていただきました。

今回は、様々な課題を踏まえた上で、地域として…優しさを持った人がたくさんいる江東区のマンパワーを最大限活かそうよ、という提案について書かせていただきます。

 

「親」だけに育児を押し付けちゃダメ

70代以上の方々に育児についての話を聴くと、「周囲の助けを得ながら子どもを育てた」という声を非常に多く聞きます。

一方で今の育児は、隣近所にどんな人が住んでいるか知らなかったりと、周囲の手助けを求めにくい環境があります。

その上、情報が溢れすぎていてどの情報に頼れば良いか分からず、分からないなりにググれば「正解」や「キラキラした情報」が溢れており、ともすれば、自身の育児を社会に「ジャッジ」されているような風潮を感じます(何かあるとすぐSNSでコメントが飛んでくる)。

 

子育てなんて初めての経験だから、わからないことや不安だらけだよ。

周囲に手助けを求めようにも地域とつながりを持っていないから、どのように声を発してよいのかわからないよ。

質問して「そんなこともわからないで子育てしているの?」と否定されたら怖い。

などなど。

そんな気持ちを抱えている保護者の方は少なくないのではないでしょうか?

 

現代は、就労者を中心に、日頃から地域と関わりやつながりをつくることが難しい人が増えています。

そして、どんなに「地域の専門機関に頼りましょう」と言われても、自分に合った支援先を見つけうまく繋がることができず、悶々とした気持ちを抱えながら育児をしている保護者は多いのではないかと私は考えるのです。

同時に、だからこそ、日頃から地域に根差した生活を送っている方々が最大限活躍できる「今の時代に合った地域で子どもを育む仕組み」というものが、とても必要だと感じています。

 

すでにある団体を最大限活用する

江東区のさまざまな行政支援はありますが、ボランティア的な、いわゆる地域資源を調べてみると、子育てに関する団体は私の知る限りでも40以上あります。

実際はもっとあると思いますが、なぜ、これらの有意義な活動団体が支援を必要としている方々とうまくマッチングできないのかというと、1つの大きな原因として「個々の地域活動団体は行政や子育て関係専門機関と繋がっておらず、活動を周知・広報する術がないから」ということがあると思います。

 

近年注目されている『子ども食堂』は、区が助成金を出していることもあり、状況を把握して広報しています。

江東区こども食堂

ただ、それ以外の活動団体…例えば、自然環境の中で親子が楽しく遊びながら他家族とつながったり子どもが自由な発想で遊べる環境をつくる団体や、みんなが地域で子育てできるつながりづくりの団体や、育児だけでなくママの時間も大切にすることを目的とした一時保育団体や、子どもと高齢者の交流の輪を広げようとする団体や、子どもが大切にしているおもちゃが壊れた時無償で修理してくれる団体や、手作りのおもちゃを子育て支援施設に寄付している団体、電話の傾聴で子どもと子育てをエンパワメントする団体、などなど。

実に多くの活動団体が江東区にはあります。

これらの活動が、うまく周知されず、十分に地域で活躍できないのは、なんとももったいないと感じてしまうのですよね。

子育て支援の任意団体って、管理ではなく緩くつながれることと、住民同士という“同じ視線”で交流ができるため、どんな相談でも否定せずに聞いてもらえるという利点があります。

だからこそ、江東区とは繋がっていないけれど、『子どもと保護者が住みやすい地域づくり』をしている活動団体を、江東区のホームページ子育てのページなどで紹介するなど、何かしらできる工夫はあると感じています。

そして、それが実現すれば、保護者の子育てに関する精神的な不安やストレスは軽減できるし、子どもにとっても、親以外の緩い地域のつながりが持てることで、さまざまな視点(多様性)を育むことができると、私は確信しています。

 

個人でできることもたくさんある

最後に、『特別子育て支援やボランティアには参加していないけど、私にできることってあるかしら?』という気持ちを持っておられる方と、子育て中の保護者へのメッセージです。

地域活動をしている中で知り合った、尊敬する大先輩が話していた言葉をここに挙げさせていただきます

 

なんだかんだ言っても、子どもって、地域や社会にとっても宝なんだよ。

だから、保護者だけに子育てを押し付けちゃいけないんだ。

今の社会が核家族になり、頼れる人が周囲にいないのであれば、地域が家族になればいいんだよ。

私は、その一歩として、街中で子どもといる保護者を見かけたら、赤ちゃんや子どもの顔を見て『かわいいねぇ~』と笑いながら声をかけるようにしているんだよ。

大抵の保護者は外出する際に『子どもが泣いたらどうしよう』とか、いろいろな心配事を抱えている表情をしているけど、こちら(地域住民)が子どもの存在をかわいいと思っていることを伝えると、保護者の表情も和らぐんだ。

警戒する保護者もいるけど、それでもいいの。

めげずに、子どもの顔を見ながら『かわいいねぇ』と笑顔で伝えるの。

それだけでも、保護者の気持はだいぶ軽くなるし、保護者に余裕ができることで、子どもも幸せになるの。

大きなことをしようとしなくてもいいの。

まずは小さな一歩、私たちから保護者が頑張っていることを言葉で認めて、子どもをかわいいと思っていることを保護者に伝えることから、みんなで取り組んでいこうよ。

※パパ・ママという言葉は『保護者』という言葉に置き換えました。

 

子育て支援、というと、とても大きな取り組みに捉えてしまったり、予算的な采配に注目されがちですが、同時に、こういう小さな行動の積み重ねも同じくらい大切だと私は感じています。

そして、願わくば、このブログを読んでいただいた方々が、子育て中の親子に対して温かい目で見守ることから取り組んでいただけたらありがたいなぁと感じています。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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