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前回は、私が掲げた政策からのビジョンについて書きました。
今回は、掲げた4つの政策のうち『困りごとが生じた際の相談体制の充実』について詳細を書きます。
困りごとが生じた際の相談体制の充実
ここでは、次の2つを掲げました。
・区民に困りごとが生じた際の相談先窓口の明確化
・生活・子育て・介護など、身近な相談支援体制の充実
今の時代は課題が複雑化している
長年、高齢者介護分野で相談援助を行っていて感じることの一つに、『年々、相談内容が複雑化している』があります。
例えば、
・子どもが同居高齢者の介護を担わざるを得ない状況のヤングケアラー問題
・虐待問題(高齢者自身と虐待をしている人それぞれの問題)
・生きにくさ(引きこもりや障がいなど)を抱えた家族と高齢者が同居している場合に生じる問題
・子どもが介護を担うことによる就労とのバランス問題
・高齢者介護と子育てを両方担わなければならない問題
などなど。
『高齢者介護』が相談窓口になっていても、話を聴くと、その背景には関わる家族等の課題がみえることも多々あり、高齢者本人の介護問題だけを解決すればよいかというと、そうでもなくなっている状況が増えています。
この状況に対して、私が一番懸念しているのは、『現状に困って相談したくても、問題が複雑になっているため、どこに相談してよいのかわからないという住民がたくさんいるのではないか』ということです。
相談窓口はわかりにくい
例えば、江東区で高齢者の総合相談窓口は『長寿サポートセンター』という機関が担っていますが、その認知度は4割以下と言われています。
子育て支援についての相談窓口は、目的別に窓口が異なっています。
子どもに関しては、この他、『東京都児童相談センター電話相談室』『東京都江東児童相談所』『こうとうゆーすてっぷ(青少年相談事業)』などなど、たくさんの窓口があります。
また、引きこもりに関する相談は、39歳以下の場合は区内に相談窓口がありますが、40歳以上の方に関しては、解決に導ける明確な相談窓口はあるのか不明な状態です(相談窓口は東京都にありますが、そこが解決に至るかというと疑問)。
このように、行政の仕組みは、相談窓口が縦割りになっており、各機関に相談対応する仕組みとなっています。
一方、相談者の視点でみた時、困りごとが生じている時点で、心身に余裕はありません。
様々な課題が絡まって困っている状況が生じている中、自分の状況や課題を明確にして、課題に応じた相談先に連絡できる人は少ないのではないでしょうか。
今までであれば、人のつながりが豊かだったため、困りごとが生じた時は周囲に相談すれば、誰かしらその道に長けている人がいて、『○○に行けばよいよ』とアドバイスをもらえることができました。
しかし、今は一人暮らし人口が増えており、コロナ禍により人のコミュニケーションの機会が減っている中、今までのように『誰かに相談する』ということが難しくなってきているのではないかと予測しています。
この、相談者の課題の複雑化と相談窓口の複雑化、そして身近に相談する人がいないという状況が、困りごとが生じても早期相談早期対応に結びつかない大きな原因になっていると、私は感じています。
生活全般の『総合相談窓口』を
そこで、まずは困りごとが生じた際に『どんな相談でも受け付けますよ』という総合的な相談窓口を地域ごとにつくり、相談者の困りごとを聴きながら、適宜必要な支援先につないでくれる機関が必要だと感じたのです。
つまり、今まで『知人に相談していて知った相談窓口を誰でもわかる形にする』機関の創設と充実です。
それは、区内に複数、社会福祉協議会の支所のような拠点を置き対応しても良いと思うし、子育て・高齢者・障がい者などの専門職が集まった拠点を、区内に複数個所設置し対応しても良いと思います。
コストや場所の問題ですぐに拠点を確保することが困難な場合は、電話相談窓口から始めても良いと思います。
どのような形が良いかはここでは明記しませんが、大切なことは『複雑な課題を抱えた相談者が気軽に相談できる環境』と『相談者をたらい回しすることなく相談対応できる環境』が必要だと、相談支援を行う立場として感じています。
このような、明確な『生活圏域に総合相談窓口』ができると、地域の住民も知り合いで困りごとを抱えた方がいた際、『まずはここに相談してみたら?』とアドバイスできるし、相談者も相談しやすい環境を確保できるだけでなく、相談しながら自身の課題を整理でき、早期解決につながります。
行政の立場上、どうしても各相談窓口や施策は縦割りになってしまいますが、地域に住んでいる住民は、それらを網羅しながら把握することは難しい。
であるならば、まずは縦割りや分野に関係なく『困りごと』を聴きながら、相談者と一緒に課題を整理でき、必要に応じて施策やアドバイスができる窓口があると、区民の安心に大きくつながると思うのです。
オマケ(プッシュ型より診断チャート)
余談ですが、最近、個々が必要に応じて申請を通知してくれる『プッシュ型』の導入提案を聞きますが、私は『プッシュ型』よりより実現可能な『YES・NOフロー型』を提案しています。
というのも、個々のスマホ等に通知がくるプッシュ型だと、本人が通知を見過ごしたり詳細が理解できない場合や、通知受信手段を持っていない場合は利用することができないからです。
一方、ネット環境があれば調べられるYES・NOフロー型は、相談窓口で支援者と一緒に確認することができたり、仲間間で相談を受けた際に『今、あなたに必要な支援を調べるね』という形で、困りごとが生じた際に、いつでも誰でも調べられる環境が作れるからです。
つまり、個人と行政で完結する支援体制ではなく、友人や相談支援者や民生委員など第三者と一緒に、自分に必要な支援を調べられる形にした方が、つながりづくりという視点では適していると感じています。
この辺りは、今回の政策には盛り込んでいませんが、人とひとのつながりという視点でデザインすることが大切だと思うのですよね。
次回は、2つめに掲げた政策の詳細を書きたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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