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今回は、江東区の今後の予測と課題について書きます。
前回までのまとめと結論
江東区の状況については、2回にわたって書きましたが、簡単に内容をまとめます。
◆1998年以降増え続ける人口は2022年8月1日時点で53万人を突破し、これからもしばらくは増え続ける予定となっている。
◆世帯構成は、平均世帯員数が減少傾向にある(1人暮らしが増えている)。
◆江東区の年齢別人口で一番多いのは40代、次いで50代となっている。
◆町会・自治会など、住民同士をつなぐ組織団体は年々減少傾向にある。
◆江東区などが関わる地域活動団体はあるが、団体同士の横のつながりは持てていない。
◆住民が任意で行っている地域活動やボランティア団体などは現状把握ができていない。
そして、上記から今後の江東区を考えた時、人口急増や一人暮らし世帯増加と町会自治会加入率の低下から、人とひとのつながりが希薄になり、困ったときに助けてと言えない状況に陥る人が増えるリスクが高くなると予測し結論づけました。
本当の悩ましさは『困った』を言えないこと
江東区は個々の困りごとを解決するための施策をたくさん打ち出しています。
私は介護の仕事をしている関係で、他の市区町村の福祉施策状況も知っているのですが、江東区は私の知る限り、他に比べて個人に対する福祉施策は豊かです。
が、個々の困りごとは一向に減ることはありません。
同時に、江東区のブランド率(?)が高まるにつれ、生活や置かれている状況に生きづらさを抱えている人は表面に出にくくなってきているように感じられます。
では、困ったときに『困った』と言えない原因は何でしょうか?
この一つの答えを教えてくれたのは、地域で長年、保護司や民生委員や町会長を担っていた方の話でした。
昔はね、町会・自治会や民生委員と、そこに住む住民は繋がっていたの。
民生委員は町会・自治会の推薦を受けて役を担うから、町会・自治会と民生委員は連携できていたのね。
だから、例えば、Aさんが地域になじめず困りごとを抱えているとか、そういう話を近所に住んでいる住民から聞くと、まずは民生委員がAさんの自宅をお伺いして、少しずつ時間をかけて信頼関係をつくりながら、膝を突き合わせて話を聴き、解決に向けて一緒に考え、時には町会を通して地域住民の協力を求めたりしながら、何とか地域でAさんの困りごとを解決しようとしていたの。
それでも解決できない時は、(Aさんが一人で役所に相談に行くことが大変な場合は)民生委員が一緒に役所の福祉課(生活保護担当の部署)に相談に行っていたのよ。
当然、地域ぐるみで関わっているから、役所の支援を受けた後も、引き続きAさんには地域全体の温かい目で見守り、時には関わりながら継続して助け合いを行っていたのね。
でも、個人情報保護法やら時代の変化で、民生委員の役割は変わったり、町会のあり方が変わったりで、個人の困りごとを聴き一緒に解決してくれようとする伴走者がいなくなっちゃったのよね。
この辺りから、地域住民同士の関係性の希薄さは始まったように思うし、困ったときに『困った』と言えない雰囲気は、広がっていったんじゃないかなぁ。
この話から気づいたことは、地域で困っている人がいたとしても『一人で悩まない仕組み』があったということです。
そして、その仕組みが希薄化すると同時に、インターネットなどの情報過多や江東区では人口が急増したことにより、生きづらさを抱えている人がいたとしても、その人が『どこに相談に行けば解決してくれるか』がわかりにくい状況を進めてしまったのではないかと感じました。
これらのことから、私は現在の江東区の課題は、『人の孤立化が進むことによって、困りごとが生じた時に『困った』と言えない為、課題解決に向けた施策を適切に受けられない』ことであり、今後、この状況を放置すると、10年後・20年後の江東区は、安心して生活できる環境を維持できないのではないか、と考えたのです。
とはいえ、これは『昔はよかった』とか『昔の仕組みを取り戻そう』という話しではありません。
今の社会状況を踏まえ、今の社会に合った『一人で悩まない仕組み』をどうデザインして創っていくか?
これを実践するには時間がかかるからこそ、今から取り組むことが必要なのではないかな、と思うわけです。
次回以降は江東区の長期計画について書こうと思います。
江東区の長期計画を知ることで、今後、江東区が目指している姿を知り、どの部分で私は尽力できるかについて書きたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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